具体的な成果

★文書管理の専門家、アーキビストが配置されました。

 

不適切な公文書の廃棄、隠ぺい、改ざんが安倍政権では次々と明らかに。こうした不正を許さないルール作りと管理の専門人材登用を上川が求め、懲戒処分の指針が改められるとともに、22年度から専門人材の公文書管理嘱託員(アーキビスト)が登用・配置されました。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

◆上川あや

テンポよくまいりますので、お願いします。

区の公文書管理について伺います。
昨年の四月、区の公文書管理条例が施行され、区の公文書管理も新たな段階に入りましたが、管理体制の構築は道半ばで、なお検討を要する課題が少なくないと考えております。
そこで本日、私から問いますのは、まず専門人材の確保について、次いで公文書の長期保存にふさわしい施設の質についてです。

まず、人材の確保についてです。
区の公文書管理のあり方について私からは、平成二十四年九月の決特同二十五年九月の決特同二十九年六月の本会議三十年十一月の本会議、さらに昨年三月の予特と、繰り返し提案と改善を求めてまいりました。

平成三十年十一月の一般質問では、アーキビズム等を学んだ専門人材確保の必要性を取り上げ、その独立した配置についても見解を尋ねました。その際、区からは、今後、公文書館機能を検討する中で、その専門性が発揮できる環境を具体化してまいりますと御答弁がありましたが、その後の検討状況は見えないままです。

国では、この間、公文書を管理する専門家、アーキビストの公的な認証制度が開始され、国立公文書館の認証委員会による審査を経て、先月には認証アーキビストの第一期生、百九十人も誕生しました。
その認証者名簿が公開されているのを見ますと、板橋区立の公文書館から二人、江東区立の区政資料室から一人の認証が確認できるのですが、残念ながら、当区の職員の認証者はないようです。

そこでまず伺いますが、区の職員からの応募はなかったのでしょうか。また、区として今後、登用の考えはあるでしょうか。登用のお考えがあるのであれば、その育成、あるいは採用、また独立的な配置の必要性についてはどのように考えるのか、それぞれ区の見解を伺います。

◎末竹 区政情報課長

認証アーキビスト制度は、公文書館などでアーカイブズに関わる三年以上の実務経験に加え、大学院レベルの知識や技能、調査研究能力などを要件としているもので、個人からの申請に基づき、国立公文書館がその個人をアーキビストに必要な能力を有する者として認証するものであり、当区からは応募してございません。

現在、区では、公文書管理委員会から公文書館機能について意見聴取を行い、その具体化に向けて検討中であり、特定重要公文書の保存、管理や評価選別、保存、利用に向けた目録作成などにおいて、認証アーキビストに限らず、一般にアーキビストと呼ばれる専門人材は、区の公文書館機能におけるリーダーやアドバイザーとして有用であると認識しております。
こうしたことを踏まえ、令和三年度中の公文書管理条例の改正を目指すとともに、公文書館機能において、専門人材が能力を発揮できる環境や仕組みについて方向性を固め、その役割や要件、採用形態などについて、令和四年度の導入に向け、引き続き検討してまいります。

◆上川あや

お言葉にありました専門人材が能力を発揮できる環境や仕組み、ぜひしっかりと確立してください。

 

◆上川あや

続いて、公文書を管理する施設についてです。
昨年三月の予算質疑で、区立の船橋公文書庫に、公文書館ではマストアイテムと思われるガス消火設備がない課題を取り上げました。

さきの質疑でも御紹介しましたが、ガス消火設備について改めて触れますと、この施設には大きく分けて二種類あります。一つは酸素濃度を下げて消火をする不活化ガス消火設備、もう一つは化学反応によって消火をするハロゲンガス消火設備です。いずれのガスも長期保存が可能で、自らの圧力で噴射できるため、タイムラグ少なく消化でき、人もポンプも不要、また消火の際、収蔵物を損ねないというメリットが大きいです。

これに対して、現在の船橋公文書庫にあるのが消火栓と消火器だけ。おまけに夜間は無人の機械警備となります。これでは夜間に初期消火が遅れてしまう上、たとえ消火できても消火剤で公文書を損なうおそれがあると指摘をしました。
その際、区からは、ガス消火設備の導入も検討するとの御答弁が示されましたが、その後の検討状況を伺いますと、同公文書庫は、もともと人が出入りする音楽練習室などを兼ねた複合施設であり、公文書の永年保存、長期保存を想定した気密性高いつくりもなく、現状で空調があるのは美術品保存庫と楽器保管庫の二か所だけ。公文書の永年保存では当然必要となる厳密な温度、湿度管理の機能はありません。気密性の低さから、虫やネズミ、カビの発生を防止する薫蒸処理にも適さず、果ては人が出入りする建築物の構造上、火災の消火のために、もし不燃化ガス設備を設けて噴射すれば、建物内にいる人を害すおそれまであるということで、この予算要求は今回見送ったというふうに伺っています。
以上の説明に誤りはないでしょうか。

◎後藤 総務課長

御指摘のような状況にあることは事実でございます。昨年度の御質問をいただいた後に検討を重ねましたが、導入には様々な課題があることから、予算措置は行っておりません。

◆上川あや

だとすれば、区立の船橋公文書庫の機能不全は明々白々で、きちんと長期保存できる公文書庫の機能の確保というものは避けることのできない課題ではないでしょうか。この点の御認識とどう取り組まれるおつもりであるのかを伺います。

◎末竹 区政情報課長

国の特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関するガイドラインでは、専用書庫について、温度、湿度、照度等を適切に管理するとともに、防犯、防災、防虫等のための適切な措置を講ずるものとしておりますので、これらを備えるものが理想的な公文書館の書庫と考えられます。
現在の船橋公文書庫にガス式自動消火設備や書庫の温度、湿度調節用の空調設備の設置が困難な場合、または区施設において設備が整った保存場所を確保できない場合には、区として永久保存することとなる特定重要公文書の保存について、外部の文書保管事業者に委託することなどを含めまして、関係所管とともに引き続き検討してまいります。

◆上川あや

しっかりとした機能整備をお願いいたします。

◆上川あや

最後に、このところ、気になりますのが、本庁舎の建て替えに伴って、本来保存するべき資料の散逸、誤廃棄が各所管課の判断で進んでしまうのではないかという点です。最近、議会の図書室でもごっそりと古い資料がなくなりました。所管との連携があるのかどうかが非常に気になったんですが、ぜひ各所管で不用意な誤廃棄などが出ないように区政情報課からも注意喚起をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

◎末竹 区政情報課長

本庁舎等整備に伴い、各所属においては文書量削減の取組を行っており、具体的な手法として、刊行物や庁内の会議資料等、庁内の複数の部や課において保管されている文書類の整理ほか、電子化により紙文書として保管する必要のないものを廃棄することなどを方向性としております。
しかしながら、委員御指摘のように、継続して保有したほうがよいという資料が誤って廃棄されることがないよう、適切に判断するよう庁内に適宜注意喚起してまいります。