◆上川あや
区立図書館の漫画対応について伺います。区教委の対応に全く納得できませんので、再質問です。
昨年3月の予算審議で、区立の世田谷文学館では谷口ジロー展、あしたのジョー展など、次々漫画家作品の特別展を開くのに、区立図書館では漫画は原則収集の対象外、他区の図書館所蔵の漫画図書の借受けすら拒むのは行き過ぎではないですかと見直しを求めました。
すると、以前の中央図書館長は漫画について、区立図書館運営体制あり方検討委員会でも蔵書に加える方向で意見をいただいているとし、今後、漫画というカテゴリーで収集対象から除外するのではなく、中身の議論を深めることで、より柔軟な図書資料の収集を検討してまいりますと御答弁になられました。区外図書館からの漫画の借受けについても、取り寄せが可能な資料については提供できるよう、より区民要望に応じた図書館サービスの充実に努めてまいりますと御答弁された。
その結果なのでしょう。今年の一月、中央図書館にその後の答弁履行状況について報告を求めますと、文書で次のような報告がありました。
図書館内の資料調整部会において、漫画の収集、選書について検討を重ね、令和五年一月十一日の館長会にて、令和五年度から漫画を選書対象として収集していくことにした。令和五年度より、各図書館の状況により順次漫画を収集していく予定である。以上の説明に誤りはないでしょうか。
◎齋藤 中央図書館長
ただいま御説明いただいた点については、本年一月に前の中央図書館長から委員に回答した内容のとおり、令和五年度から漫画を選書対象としていくことで間違いございません。
◆上川あや
では、その後、半年で収蔵はどれだけ増えたのでしょうか伺います。
◎齋藤 中央図書館長
令和四年四月から令和五年九月にかけて、図書館に設けている資料調整部会において、他区の漫画の収集状況を調査し、世田谷区における収集の対象や予約の受付の手順といった選書方法などについての検討を行い、選書基準を取りまとめたところです。収集に当たっては、選書基準に基づいて、社会的評価が定まっているものや作品の資料的価値を考慮して選定することとし、現在準備を進めている状況であり、現時点では区立図書館における漫画の収蔵はございません。
◆上川あや
前回の御答弁から一年半をかけてこの状況というのが全く残念としか言えない答弁です。
それではいつから収集を始めるのでしょうか。
◎齋藤 中央図書館長
収集に関しては年内に始め、来年二月をめどに貸出しができるように準備を進めております。
◆上川あや
区外図書館からの借受けも改善されたのか大変疑問です。
今年一月の調査で、区教委は、漫画の他自治体からの相互貸借については自治体内の予約が優先されており、貸借の実績はまだないのが実情と回答されています。さも、区としては借りたいが、先方が貸さないのだとする回答です。でも、実態は違いますよね。実際は区民からの借受けのリクエストがあっても拒否をされている。その証拠に今年の五月、次のような苦言が私のもとに届いています。読み上げます。
五月の連休、松沢図書室での対応です。谷口ジローさんと関川夏央さんの「『坊ちゃん』の時代」というコミックをリクエストしました。カウンターの方が世田谷区にはないので、他のところを探してみますと端末で探しているとき、隣にいた女性が、これはコミックではと聞かれたので、そうですと答えると、区立図書館でコミックは所蔵していないし、他区からも借りられませんと言われました。奥からも人が出てきて、リクエストのために書いた紙も、お持ち帰りくださいと突き返されましたという苦言です。
この話を伺い、早速、委員会終了後の中央図書館長に声をかけました。新たな漫画の選定収集に時間がかかるにしても、区外図書館からの借受けまで否定する合理性はないでしょうと見直しを求めますと、それはおっしゃるとおり、中央図書館に帰り状況を確認しますと回答され、ちぐはぐな対応が生じないよう現場への周知徹底を図りますともおっしゃいました。ところが、ついぞその後の報告はないままです。
加えて、先月六日、上北沢図書館では同じ区民の方に、区立図書館での漫画の扱いについて次のように説明なさっています。これは、私も録音を確認いたしました。
まだちょっと漫画の受入れのシステムができていないので、今のところ受け入れはできないんです。他の図書館からの取り寄せっていうのもできていない状態なのでと、漫画の収集も区外図書館からの借受けも否定をされています。
そこで伺いますが、区外図書館からの漫画の借受け実績はありますか。
◎齋藤 中央図書館長
現時点で、漫画については区が選書の対象としてこなかったために、コミックエッセイなどを除き相互貸借の対象となっていないことから、区外図書館からの漫画の借受け実績はございません。
なお、他の公共図書館から資料を取り寄せる相互貸借についてですが、令和五年度第一回特別区図書館長会の資料では、二十三区中、漫画の資料ありとしている図書館が十六区あり、いずれも他区への貸出しはしておりませんでした。そのため、所蔵していない漫画についての他の公共図書館からの提供を受けることは難しい状況です。
◆上川あや
結局、御答弁から一年半何ら改善がないのも同然だと思います。区立図書館に所蔵がなければ他区の図書館に、それでもなければ都内の図書館に、それも駄目なら、他県の図書館に、最終的には国立国会図書館にも借受け調整はできると聞きますので、先ほどの御答弁は言い訳に過ぎないと思います。
しかも、さきに話した区民の方が、区外図書館からの借受けリクエストさえ断られた同じ漫画図書について、おととい、私が世田谷図書館に借受けの相談をしますと、基本漫画は扱わないんですと述べながらも、一旦確認しますと引き取った末に、何とリクエストが通ったんですね。
最終的に借りられるかどうかは先方の図書館の判断ということですが、区民の方が受けた門前払いは受けませんでした。これは私を議員と見てのVIP待遇なのでしょうか。なぜこうもばらばらなのでしょう。公平な区民サービス提供はできないのですか。
◎齋藤 中央図書館長
漫画の収集貸出しに関わるこの間の検討状況について、各館に情報伝達をしてまいりましたが、相互貸借の対応などに関して情報共有、対応が徹底されていませんでした。委員の指摘を受けて、昨日、十月十二日、漫画の取扱いに関する対応にばらつきが出ないように各館に周知したところです。
御指摘のございましたこの間の図書館利用者への不適切な対応についてはおわび申し上げます。申し訳ありませんでした。
◆上川あや
御答弁は守られるのでしょうか、部長に伺います。
◎知久 教育政策・生涯学習部長
今回の漫画に関する対応も含めまして、利用者の皆様に気持ちよく御利用いただけるよう、改善すべき課題については進行管理を徹底し、しっかりと取り組んでまいります。
◆上川あや
先ほどの区民の方からいただいたメッセージをお伝えします。漫画に対する偏見を捨ててください。
終わります。