◆上川あや

区立図書館における漫画の扱いについて伺います。

せんだって区立図書館を利用する区民の友人から次のような疑問の声が届きました。以前、都内の北区に住む同僚が北区立図書館で借りた漫画作品、よしながふみさんの「大奥」を職場の休み時間に読んでいたそうです。図書館で借りられるよというので、世田谷区立図書館でも探してみたけれども、検索をかけてもヒットせず、区立図書館の書棚で漫画の配架を見たことがなかったので、世田谷区立図書館に漫画の蔵書はないものだと思っていた。それでも借りたかったので、他区からの借受けを区立図書館にお願いしたところ、漫画の借受けはうちでは駄目です、取次ぎもできないと一律に切られて驚き、漫画は借受けすら駄目なのかと思っていた。

その後、何年かして世田谷区立図書館でたまたま手にしたのが、原作者がタレントさんで話題だった「大家さんと僕」という作品です。作品をよく知らぬまま一緒に借りて読んだら、えっ、漫画じゃんと驚いてルールが変わったのかと理解をしたそうです。その友人は、休日、畑を借りて農作物を育てていまして、ルールが変わったのなら、農業従事者だった実体験に即して描かれた荒川弘さんのコミックエッセイ「百姓貴族」はないかと考えて、区立図書館で探したら、やはりなく、他区からの借受けを頼んだら、漫画は駄目だと以前と同じように返されたそうです。「大家さんと僕」も漫画なのに、区立館に所蔵されていて、借りることができた。どういう判断基準なのか訳が分からないと言われました。

この話は私にとっても疑問でした。区立の世田谷文学館では、先日も漫画家の「谷口ジロー展」を開催し、昨年は「あしたのジョー!展」、おととしは「安野モヨコ展」、その前年は「萬画家・石ノ森章太郎展」も開いており、全てが漫画家作品に焦点を当てた世田谷区立の施設での特別展です。ところが、同じ世田谷区立の図書館では漫画は駄目だと一律に切り捨てられる、一体どういう判断なのでしょうか。
私は漫画も立派な表現手段の一つであって、図書であることに変わりはなく、重要なのはその中身だと考えます。私も小難しい文書を読むより、よほど現場理解の助けになるのではと考えまして、生活保護のケースワーカーを追いかけた漫画作品、「健康で文化的な最低限度の生活」、こういったものを何冊も持っています。このように分かりやすく理解を助け、教養を高める漫画図書だって幾らだってあるのに、漫画だからと一律の排除はおかしいと考えますが、いかがでしょうか。

◎會田 中央図書館長

現状、世田谷区立図書館では、漫画は原則として収集しないこととしております。ただし、生活、教養、学習、調査研究及び娯楽、趣味に資するものや、地域の著名な作家の作品などについては一部収集の対象としているところです。

漫画の蔵書につきましては、世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会の報告書でも、集客やにぎわいの観点から蔵書に加える方向の提案をいただいております。今後、漫画というカテゴリーで収集対象から除外するのではなく、中身の議論を深めることで、より柔軟な図書資料の収集を検討してまいります。

◆上川あや

次に、他区には蔵書があるにもかかわらず、区民が他区のコミックエッセイを取り寄せたいと相談したところ、漫画は駄目だと一律に排除をされていますが、そこまで排除する必要もなく、過剰だと考えます。この点も改善していただけるとよいと考えますが、いかがでしょうか。

◎會田 中央図書館長

世田谷区立図書館で所蔵のない資料について、ほかの自治体の図書館から貸出し、借受けを行う制度を相互貸借と呼び、区民要望に応えるサービスの一つとして行っているところです。しかし、多くの自治体は、漫画を相互貸借の対象外としており、また、貸出予約の多い資料は利用者への提供が優先されており、取り寄せが難しい状況です。さらに、世田谷区の運用として漫画については利用者からの取り寄せ依頼をお断りしておりました。
今後につきましては、漫画の収集に関する検討と併せ、他自治体から取り寄せが可能な資料については提供できるようにするなど、より区民要望に応じた図書館サービスの充実に努めてまいります。

◆上川あや

ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。