区は、障害者手帳を持つ生活保護受給者への障害者加算の支給漏れを、闇から闇へ葬り去ろうとしていないか? この疑問から質疑を行います。
まずは、パネルをご覧ください。
これは、本年1月、区が東京都に送った疑義照会票です。
区は、平成30年1月、受給者から障害者手帳の写しを受け取りながら加算計上せず、1年4か月後の令和元年5月、その漏れに気づきました。
しかし遡及支給したのは直近3か月分のみで、それ以前の1年余り、約23万円は、今なお未払いです。
昨年12月、区は自ら「ケース診断会議」を開き、赤枠のとおり、「手帳の写しを提出していたのにも関わらず、加算を計上していなかったのは、受給者に何ら過失がないため遡及支給を行うこととする」と結論づけ、その可否を都に問いました。
ところが区は、都の回答を受け、時効を理由に支払わないと判断し、今に至ります。
ちなみに加算漏れが発覚した令和元年時点での未支給分は、すべて時効の成立前でした。
時効にしたのも区の判断ミスですが、本日はまず組織対応を、最後に未払いの扱いを伺います。
質問の1つめは、議会への報告がないことについてです。
重大な事務のミスが見つかれば、他に同様の事例がないか点検し、再発防止策の検討と併せ、議会に報告するのが区の通例です。
現に区は、平成30年2月、一人の区民の問い合わせから高額介護サービス費の算定誤りを見つけ、対象者を洗い出し、52人に計、約160万円もの追加支給を決め、部長のおわびと再発防止策を、福祉保健常任委員会に報告しています。
本件発覚の1年3か月前のことです。
ところが本件の議会報告は一度もありません。見送りは誰がどう判断したのですか。
質問の2つ目は、他に同様の漏れがないかの総点検についてです。
委員会報告は見送られ、他に漏れがないかの総点検もありません。
全体調査の有無を尋ねても「記録がない」というのが区の返答です。
一方、佐賀市では、わずか1件の障害者加算の漏れ発覚を契機に、全市のデータ照合を行い、全部で15件もの漏れを公表しています。
これを受け佐賀県も、佐賀市を除く県内調査に乗り出し、37件もの漏れを発見し、是正しています。
新潟県燕市も、同じく全受給者を点検し、9件の加算漏れを発見し是正しています。いずれも3カ月といわず、最長5年分を遡及支給しており、本区との差は明らかです。
区は今からでも全件調査を行い、その結果を区議会に報告すべきではないのですか。
質問の3つ目は、再発防止策についてです。
区は、本件発覚から7年、原因検証と、再発防止策をどう進めたのでしょうか。
世田谷福祉事務所長は先月25日、今になり再発防止策を検討すると私に述べましたが、これは過去7年、何も策を講じてこなかったことの証左ではないのですか。
続いて、副区長に伺います。
区民の生活に関わる重大な事務ミスが生じたら、議会へと報告、公表し、全件点検を通じて再発防止策を検討し、講じる。この通例のサイクルが本件では過去7年、一度も回らず、障害者の生存権を支える制度上の鍵、障害者加算の漏れは放置されました。
今回、私が取り上げなければ、闇から闇へと事案は葬り去られた可能性が高く、これでは隠蔽と受け取られても仕方がないのではないですか。
また本来、本件は区議会へと報告、公表し、全件点検をすべき事案だったとお認めになりますか。
加えて全件調査の実施と、区議会への報告をお約束いただけないか、ご見解を伺います。
最後に、冒頭で触れた未払いについてです。
区はこのまま「不払い」で幕を引くおつもりでしょうか。
ここでパネルをご覧下さい。
岩手県花巻市は、障害者加算の支給漏れで時効を過ぎた約47万円についても、「市に落ち度があると認められることから、請求権が消滅したものとして不支給とすることは、被保護者のみならず市民の理解を得ることは困難」として一般会計から補正を組み支給しています。
区も自ら非を認めている以上、不払いでは区民の理解は到底得られないと考えます。区の単費によってでも支払うべきではないですか。
時効で消えたのは保護費の受給権です。花巻市のように、区独自の給付という選択肢も当然あるのです。謝るなら払う。それが最低限の誠意です。再考を求めます。

