◆上川あや

先頃区議会に配布されました要望書、区立中学校の高額な指定制服・体操服の購入の任意化を求める要望書に関して伺います。

まず、いわゆる制服に対する区教委の基本認識から伺います。私は、これまでの議会質問で、学校で一般に制服と呼ばれているものの公式呼称が標準服とされている理由について確認しています。その際、区教委からは、標準服は学校が推奨する服装ではあるものの、着用を義務づけるものではないとの答弁が繰り返されています。
そこでまず伺いますが、世田谷区立の全中学校において標準服の着用は義務ではないという認識に変わりはないでしょうか。また、標準服を着用しない場合でも、生徒が学校生活において不利益を受けることはないとの認識でよいのか、併せて区教委の見解を伺います。

◎赤司 副参事

標準服につきましては、区として従前より学校が推奨する服装ではありますが、着用を義務づけるものではないという整理をしております。また、標準服を着用しないことを理由として生徒が不利益を受けることがないよう、学校においても個々の状況に応じて丁寧に対応しているものと認識しております。
教育委員会といたしましては、従前の整理が生徒、保護者に適切に伝わるよう必要に応じて学校と情報共有を図ってまいります。

◆上川あや

続いて、区立中学における制服や体操服のあり方についてです。今回、区議会に出された要望書では、入学時、指定された制服や体操服、上履きなどをそろえると十万円を超え、成長に伴うサイズアウト等を含めれば保護者の負担はさらに重くなるとも訴えられており、指定の制服を購入、着用しなければ通学できないと受け止められている現状は明らかです。
まず、この指定の制服や体操服等を一式そろえると十万円を超えるとの指摘については、どういう現状にあるでしょうか。具体的な金額と併せてお答えください。

◎近藤 学務課長

区立中学校の標準服の価格は、上着と夏冬用のボトムスに加えて、ワイシャツとネクタイやリボンを含めて平均約六万六千円となっております。また、体育着はジャージとシューズを含めて平均約二万四千円であるため、合計すると約九万円となっております。ワイシャツや体育着の予備など購入する数量によっては十万円を超える場合もあるかと思われます。

◆上川あや

私もデータを伺ったんですけれども、学校によっては初期投資だけで十万円を超えると聞いています。
また、この要望書の提出者が、区長へのメールに同様の趣旨での意見を送ったところ、区教委からは、標準服は学校が推奨する服装ではあるが着用は義務ではないこと、さらに、体育着や上履きについても学校指定以外の市販品の使用が可能であることを含めた回答文が送られています。
私もその回答文を取り寄せ確認しましたが、以上の説明に誤りはないでしょうか。

◎赤司 副参事

誤りはございません。

◆上川あや

ただいまの御答弁を踏まえますと、義務教育である区立中学校への通学に当たり、特定の制服を購入しなければならないと受け止められているこの現状は決して望ましいものとは言えません。また、そうした認識が広がっているからこそ、今回の疑問と困惑にあふれた要望書が区議会に提出され、要望書のタイトルにも、任意化を求めるとあるのでしょう。
区教委が今回も示したように、標準服の着用は義務ではなく、体操着や上履きについても市販品の使用が可能であるのであれば、その理解を学校現場で改めて徹底するとともに、保護者や生徒にも分かりやすく周知していく必要があると考え、誤解を解く努力を求めるものですが、いかがでしょうか。

◎赤司 副参事

標準服につきましては、生徒や保護者の皆様の選択に基づくものであり、着用を義務づけるものではありません。一方で、経済面や利便性からも標準服を設定していることもあり、学校としては活用することで、その利点を享受してもらうことも考えなくてはなりません。
この両面について、生徒、保護者の皆さんにも丁寧に説明をしながら、標準服は購入も含めて強制ではなく、選択肢の一つであることが誤解なく伝わるよう努めてまいります。体育着や上履きについても、市販品の使用も可能であることを丁寧に説明するよう学校を指導してまいります。

◆上川あや

また、標準服以外の服装を希望する生徒、保護者に、その理由の説明をいちいち求める運用がある場合、あざや傷といった身体上のコンプレックスや性別に対する違和感、御家族の持つ宗教など、個人のセンシティブ情報の開示を強く求める対応にもなりかねないと危惧しています。区の多様性尊重条例に照らしてもそうした対応は望ましくはなく、理由を問わず制服以外の服装も選択できる現場対応が求められると考えますがいかがでしょうか。区教委の現場指導の方針と併せて伺います。

◎赤司 副参事

学校では、日々の教育活動の中で、生徒一人一人の事情を丁寧に受け止める姿勢を基本としております。そこから標準服以外の服装を希望する生徒がいる場合には、学校生活に支障が生じないよう必要な配慮等について伺う可能性はありますが、個人のセンシティブな情報の提供を求めたり、また、特段の理由がなければ標準服以外の着用を認めないといった対応をする考えはございません。
 区教育委員会としましても、個の状況に応じた配慮の際に、適正な学校運営という観点から過度な確認とならないよう各学校を指導してまいります。

◆上川あや

最後の質問です。今回の要望書では、桜丘中学校では制服購入は任意とされ、式典の際には場面に応じた服装とするなど柔軟な運用が行われていることも紹介されております。先ほどの答弁でも確認したように、標準服の着用は義務ではありません。
 他方で、学校における式典や校外活動等でどのような服装をするべきか、TPOに合わせた服装や場面に応じた態度を学ぶことも、これから社会にはばたく生徒にとっては大切な教育だろうと考えます。この点、学校において制服着用の任意化を今後の教育活動の豊かさに生かしていく視点も必要ではないでしょうか。この点、区教委のご見解はいかがでしょうか。

◎赤司 副参事

委員御指摘のとおり、標準服の着用は義務づけておりませんが、式典や校外活動など、場面に応じた装いを判断し、適切な振る舞いを身につけていくことは、生徒がこれから社会で活躍する上で大切な経験であると受け止めております。標準服着用の任意化を強調することによって、TPOや状況に応じた判断力を育む機会が広がる一方で、標準服にも経済面や利便性等の利点があることから、各学校で丁寧に検討を重ねていくことが重要であると考えております。
 今後とも地域の実情や学校の教育目標、保護者の意向などを踏まえ、生徒会や学校運営協議会などで丁寧に議論を深めながら、各校にとって望ましい取組が進むよう、区として支援してまいります。