◆上川あや
企画総務領域の質疑に引き続き、区の公益通報制度について伺います。
まず、冒頭で本質疑のポイントを整理します。本区の公益通報制度は、一見すれば、外部の弁護士による通報窓口の設置から調査対応に至るまで一定の第三者性、客観性を備えているかのように見えます。しかし、それはあくまでも現状の運用や体裁に依存したもので、根拠規定により担保されたものではありません。言い換えれば、制度として第三者性が確保されているのではなく、たまたまそう運用されているにすぎないところこそが問題です。
それでは以下、具体の指摘に入ります。
前回の質疑で私は、国の公益通報ガイドラインが求める区長を含む上層部の不正を調査する際の独立性の確保について指摘しましたが、本区の要綱にはその仕組みが明文で規定されないままとなっています。他区では第三者委員会の設置などを規定している例があると指摘したところ、区は立ち上げ等も含め検討すると答弁されました。しかし、私が求めるのは事案発生後の対処ではなく、平時から制度として明文化しておくことです。組織の長等の不正が疑われる場合でも独立した調査が担保される仕組みを要綱に明記するよう改めて求めます。区の見解を伺います。
◎須藤 総務部長
国のガイドラインにおいて、組織の長その他幹部に関する事案については、これらの者からの独立性を確保する措置を取ることが示されていることから、第三者委員会を設置して独立した調査を行う規定を設けている他自治体があることは認識しております。
尋ねの要綱への明記につきましては、他自治体での運用状況等も参考にしながら、今後の要綱見直しを進める中で検討してまいります。
◆上川あや
続いて、外部通報窓口についても、体裁を整えただけのからくりをぜひただしていただきたい。国のガイドラインは、外部に弁護士等を配置した通報窓口の設置を明確に求めてきました。この点、区は、私からの度重なる要求に、公益通報相談員を設置し、外部の弁護士が対応していると説明はしてきましたが、要綱上は、外部窓口であること、弁護士であることのいずれも義務づけられてなどおりません。つまり現在の体制に規定による担保はなく、あくまで運用上そうしているにすぎない。したがって、区の職員に差し替えることも可能な構造のままであり、必要に応じて取り外し可能な第三者性にすぎないのです。こうした現状では制度が都合よく組織に運用できる仕組みと評価されても仕方がないと言うべきです。
同じ公益通報相談員を置く江東区では要綱の中で、外部の窓口で、弁護士の資格を有する者と明確に規定しております。本区においても、まず外部窓口であること、外部の弁護士であることを要綱に明記するべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
◎須藤 総務部長
委員御指摘のとおり、現在の区の要綱の規定では、区の内部の職員が公益通報相談員を担うことも可能な規定となってございます。この間、公益通報制度の運用において要綱に定めた公益通報相談員を外部の弁護士とは規定をしておりませんが、委員の御指摘を踏まえまして、今後要綱の見直しに合わせての検討をしてまいります。
◆上川あや
さらに、相談員となる弁護士の選任方法についても同様の問題があります。区は、法曹関係団体からの推薦を踏まえ選任していると説明はします。しかし、これも要綱上の根拠を持たない運用にとどまります。つまり現行制度では、その折々の判断で、区の息のかかった弁護士への変更はもとより、場合によっては内部の職員への置き換えすら可能な構造となっています。現にそのような運用を行っていないとしても、制度としてそれを排除していない以上、第三者性が担保されているとは言えません。
実際、兵庫県では、今般の制度改正により弁護士会の推薦を受けた外部の弁護士事務所を窓口とするなど、第三者性を制度として確保しております。本区においても、運用任せではなく、規定として第三者性を担保する仕組みを整備するべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
◎須藤 総務部長
通報者の不利益を防止し、安心して通報できる環境を確保する上で、第三者である弁護士等を通報窓口とすることは公益通報制度の信頼性を高めるために重要であるというふうに認識をしてございます。現在区が委嘱している外部相談窓口の弁護士は、法曹関係団体からの推薦を踏まえて選任しているところですが、御指摘のとおり、規定に明記した上での対応ではございません。御指摘の弁護士会による推薦の在り方も含めまして、第三者性の一層の確保に向け、これまでの運用を検証し、外部相談窓口の委嘱方法や規定の整備についても検討してまいります。
◆上川あや
また、兵庫県は本年一月の要綱改正で、報道機関等への外部通報についても不利益取扱いから保護することを明文化しております。法改正の趣旨を踏まえれば、本区においても、こうしたより実効性の高い規定を取り入れていく必要があるのではないでしょうか、区の見解を伺います。
◎須藤 総務部長
公益通報制度では、通報者が公益通報を行ったことなどを理由として不利益な取扱いを行わないようにすることは、通報者を保護する観点からも重要であるというふうに認識してございまして、要綱第三条、不利益取扱いの禁止等において規定をしてございます。よりよい規定の改定を取り入れるべきとの御指摘につきましては、今後の要綱見直しに合わせて検討してまいります。
◆上川あや
最後に、制度運用の公表についても伺います。
国のガイドラインは通報件数のみならず、事案の概要、調査概要、措置概要、対応期間などの公表を求めています。しかし、区は二〇一九年、私の質疑に検討を約束しながらも、今なお十分な情報開示はないままです。どのような通報があったのか、どう処理されたのか、その概要すら明らかにせず、区の制度運用は依然としてブラックボックスです。制度の信頼性を確保するためにもガイドラインに沿った公表へ改めるべきではないのでしょうか。
◎須藤 総務部長
区では現在、通報事案について、受理し調査を実施したものにつきましては、その概要や調査結果、是正措置の有無、その内容についてホームページで公表している一方で、受け付けている通報の範囲外に当たるため受理しなかった事案については、調査等の対応を取っていないことから概要の公表はしてございません。
二〇一九年の御指摘を踏まえまして受付件数等は区ホームページ上で公表しておりますが、今後は公益通報制度の透明性、信頼性をより高めるために、通報者の保護に配慮しつつ、事案の受理や調査の有無にかかわらず、受け付けた事案の概要を公表する方向で改善してまいります。
◆上川あや
私がこの公益通報制度のおかしな点を取り上げるのは今回でもう十二回目になります。これまでも散々形骸的で不正の告発をいかようにでも握り潰せるお手盛りの制度だと批判を続けてきましたが、もういいかげん再質問しないで済むよう制度を整えていただくことを改めて求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。



