◆上川あや
制度はつくるだけでは意味がなく、それを必要とする方に届いて初めて行政サービスとして機能します。本日は、その届かない制度という観点から伺います。
まず取り上げるのは、区の行政サービスにおける生活保護世帯への減免が当該区民に十分知らされていないことです。
三年越しの私の議会提案を受けて、区立の美術館、文学館の観覧料は生活保護世帯に対して無償化されました。しかし、生活保護の御相談に当たる生活支援課に伺うと、こうした減免情報の共有は区役所内部のケースワーカーまでにとどまっており、どこまで口頭で伝えられるかは、受給者との会話次第となっています。
一方、生活保護受給世帯に配布される生活保護のしおりには、国や都の減免制度の記載はあるのに、区の減免制度については何一つ記載がないままです。生活保護は健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度です。今回実現した美術館、文学館の無償化もその趣旨にかなう施策なのですから、しおりに掲載するなど当事者に伝える工夫を求めたいものですけれども、御見解はいかがでしょうか。
◎瀬川 生活福祉課長
区では、世田谷区文化及び芸術の振興に関する条例の基本理念を踏まえ、世田谷区第四期文化・芸術振興計画に掲げる誰もが身近なところで文化芸術に触れ、親しむことができる機会を充実させるため、区立美術館、文学館の常設展において、生活保護世帯の方の観覧料を免除する取組を行っています。
生活保護のしおりは、生活を立て直すために相談に訪れた方が初めて生活保護制度に触れる資料になるため、まずは衣食住に必要な費用や医療など、生活の再建に直結する扶助を中心に内容を整理しており、掲載されていないものについても補助的に口頭で御案内していたところです。
今後は御指摘の点も踏まえ、生活保護のしおりが、より日常生活の安定につながるよう、減免制度についても改めて内容を整理し、また、区のホームページにも分かりやすく区の減免の内容がお伝えできるよう検討してまいります。
◆上川あや
続いて、今述べた美術館、文学館の無償化は、生活支援課が発行する保護受給証明書の提示により利用できる制度と伺っています。そこで、この証明書の提示により減免される区のサービスにほかに何があるのか同課に確認したところ、ほかには把握がないとの返答で大変驚きました。今回の無償化は、文化・国際課から情報共有があったため把握はしていたが、その他の事業で情報共有はないというのです。これではまさに行政の縦割りの弊害そのものです。
区政における各種の減免を生活保護の担当課ですら把握していないのに、当事者の区民が知るのはなお難しいはずと考えます。区として減免制度を整理し、まとめて広報するなど分かりやすく伝える仕組みを検討するべきではないでしょうか。
◎瀬川 生活福祉課長
区では、これまでは生活保護のしおりや、生活保護世帯へ年一回送付する基準額改定のお知らせの中で、保護受給証明による各種減免制度の周知を行ってまいりましたが、ホームページには減免制度をまとめたページは設けておりませんでした。御指摘を踏まえ、ひとり親の減免制度を整理した区のホームページのように、各種減免制度を分かりやすく整理し、区民の皆様に必要な情報がより的確に届くよう案内方法について検討してまいります。



