はじめに、生活保護受給世帯に対する区立美術館・文学館の観覧料無償化について伺います。

2022年・春の予算質疑を皮切りに、私からこの課題を3度取り上げ、常設展の無償化は実現しました。しかし、より経済的負担が大きい企画展についての減免はいまだ見通せず、今後の行方が気がかりです。
区の文化・芸術振興計画は「誰もが文化・芸術を楽しめるまち 世田谷」を将来像に掲げています。
また、上位法である博物館法は、本区の美術館・文学館を含む、公立博物館について、入館料などの徴収は原則として行ってはならないとしています。
こうした観点からも、困窮世帯等への対応は無償化こそが望ましいと考えます。
所管課に伺うと、企画展の今後については、常設展の無償化の利用実績を踏まえ、せたがや文化財団と協議を進めていくとのことでした。

しかし、「利用実績を踏まえる」と言われても、そもそも減免制度が生活保護受給者に十分伝わっているのか疑問です。
生活支援課に確認したところ、係長会での情報共有はあったものの、ケースワーカーを通じた周知は「機会があれば話すかも」程度で、極めて限定的だと分かりました。

実際、生活保護受給者に配布される「生活保護のしおり」にも、国や都の減免制度の記載はある一方で、区の減免制度の案内はありません。係長会での共有は第一歩ですが、対象者に届かない配慮では意味がありません。情報伝達の工夫を検討すべきではないでしょうか。

続けて、区が協議を進める文化財団側の受け止めにも懸念が残ります。

昨年、パブリックシアターの関係者から、困窮世帯の子どもの体験格差の解消に向けて世田谷子どもフードパントリーと連携し、観覧券を無料配布したとの取り組みを伺いました。大変意義深い活動に共感を覚えた一方で、その企画段階で美術館や文学館など他部署との連携を模索したものの、その実現には至らなかったとのお話が残念でした。
こうした経緯を踏まえると、美術館・文学館に対する区の働きかけがどこまで響くのか疑問も残ります。

「誰もが文化・芸術を楽しめるまち 世田谷」の実現に向け、区は文化財団とどのように協働し、計画理念を具体化していくのか、その対応方針を伺います。

続けて、文化財団で観覧券配布に取り組んだ関係者からは、同施策を進める上で「対象となる子どもたちとどうつながるか」が最大の課題との声がありました。

この点、児童扶養手当や就学援助、奨学給付金などの事業を通して対象世帯と接点を持ち、また子ども団体等とのつながりも多くある区として、今後どのようにそれら情報を同財団の事業、ひいては体験格差の解消に活かしていくのか。区の見解を伺います。