まず1点目、区の各課で「不要」と判断した備品等、区有財産の処分では、公費をかけた廃棄より、税外収入確保につながる売却、資源の有効活用につながる譲渡が優先されて然るべき。以上の課題認識から改善を求めて伺います。
先の第2回定例会で私からは、新型コロナ対策で国から譲渡された超低温冷凍庫等を、区が大量廃棄した一件で、その妥当性を問いました。
国が昨年12月に出した事務連絡では、公的接種の終了後、それら物品の使途の限定は解かれ、処分に当たっては譲渡や売却など可能な限り有効活用していただくようお願いします、との但し書きをつけ、廃棄を含めた判断を区に委ねました。
これを受け本区は、区内の医療機関と一部の大学に絞り、譲渡を呼び掛けた一方で、売却はハナから考えず、譲渡された68台のうち6割以上を占める43台を、早々に廃棄しています。
他の自治体では、医療機関や大学のみならず、地域の消防、警察、高齢者施設、介護施設、一般企業まで、譲渡を呼びかけるなど有効活用への工夫が見られ、また、お隣、杉並区、大田区では売却にも成功し、税外収入を得つつ廃棄数はゼロと――当区との差は明らかです
以上のような対比を述べ、本区の大量廃棄について妥当性を問うと、保健所副所長より、「譲渡を呼びかける対象については、より幅広く検討する必要があった」、「区の厳しい財政状況に鑑みれば、売却等による税外収入の確保に努めていかなければならなかった」旨、反省が述べられました。
また、物品管理を統括する会計管理者からも「職員研修等を通じて、貴重な公有財産を適切に管理、活用することを徹底し、職員の意識の向上を図ってまいります――」と精神論のみ、述べられましたが、具体的な改善策は薄く、全く不十分というべきです。
区の物品管理規則第6条は、「物品の管理に関する指導統括の事務は、会計管理者が行う」と、その責任を定める一方で、実際的な管理方法を区に伺うと「物品管理者」である各課長に管理が委任されたあとは、売却、譲渡、廃棄の判断とも所管課任せ。
廃棄と判断した場面での会計課の役割は、備品登録データの抹消依頼に応じるだけ、というのですから驚きます。
これでは、もはや管理ではなく、単なる「放任」ではないのですか?
また、そもそも区の物品管理規則に「売却」が記されたのは平成30年の改正以降だそう。つまり、つい6年前まで区は売却という選択肢すら持たなかった。
このような極めて緩い、鍵カッコ、「管理」の結果、昨年度の廃棄備品の総数は実に2018件。 うち102件は、新品価格、64万9000円の超低温冷凍庫等、まだ減価償却すら済んでいない財産の廃棄であり、同時期の売却価格1円以上での売却実績は、わずかに17件。3台の特殊自動車と17台の自転車だけ。 譲渡も前出の医療用保冷庫19台以外ないという、お寒い状況でした。
そこで以下、本区とは好対照をなす、他自治体の取り組みも参考に、区の見解と対応を問いたいと思います。
まず今ご紹介した昨年度データは、不用品の売却や譲渡を考えず、安易に廃棄ばかり重ねてきた証左と考えますが、区の見解はいかがか。
第二に、徳島県徳島市の会計規則では、それが誕生した昭和39年以来一貫して、「不用品の処分は原則として売却による」と定めています。
再利用不可能な物品、送料・手数料で収支がマイナスになるなど、売却に適さない場合を除いては、売却を基本に、その予定価格に応じて、副市長から契約監理課長まで4段階で専決者を定め、個別に処分の適性をチェックしています。
区でも、不用品の処分に関し売却、譲渡を廃棄より優先させる等、ガイドラインを示し、一定のチェック体制を整備するべきと考えますがいかがですか?
第三に同市では、所管課に代わり、契約監理課が、官公庁オークションサイトや、古物回収業者への売却を手掛け、また同課との合議を経たうえで、所管課手続きによるフリマアプリ、メルカリショップでの販売を後押ししています。
報道によれば同様にメルカリを利用する自治体は、この7月までに全国38団体に広がり、同月、メルカリにshopを開いた京都府南丹(なんたん)市では、本区が公費をかけ、43台廃棄した超低温冷凍庫3台を、1台8万円で出品したところ、あっという間に売り切れ、市の担当者を驚かせたといいます。
本区でも、不用品売却をノウハウのない所管課任せにせず、会計部門で統括管理する。あるいは各課への支援を強化し、税外収入確保に努めるべきではないですか?
また、徳島市同様、より具体に官公庁オークションサイト、メルカリ等の社会資源の活用を求めますけれどもいかがが? それぞれ区の見解を伺います。