◆上川あや

次に、区が子ども・子育て応援都市を宣言し、区長と幹部がこぞってイクボス宣言をした足元で、小学生のお子さんのいる職員はいわゆる小一の壁、小四の壁に阻まれ、仕事と子育ての両立に日々困難を抱えながら過ごしています。また、その過重な負担から体調を崩し、休職、退職に追い込まれる職員さんも少なくない現状を私は大変憂いております。この夏、そうした現状をつぶさに語ってくださる職員さん方と出会い、ぜひ早期に改善するべき課題であると痛感させられました。

現在、区の子育て部分休業は法に基づく就学前しか認められていません。このため、お子さんが小学校に上がると同時に、職員さん方は是も非もなくフルタイムへと移行します。しかし、小一では保育園の預かり時間と小学校の登校時間とのギャップから、子どもの送り出しより前に職員は出勤しなければならず、不安は去りません。小学校の学童保育は、保育園の延長保育に比べ預けられる時間も短く、仕事と育児の両立は就学前に比べても困難となりがちです。
加えて、学童保育の提供は小学校三年生で終わります。その後は新たな居場所の確保とともに、子どもの成長段階による自我の目覚め、学習内容の高度化にも対処が求められ、親の負担感が増すのが小四の壁。これらの変化はフルタイムで働く親にとっては大きな負担となり、キャリアの継続を困難にする可能性も高く、国も初めて全国調査に乗り出すなど、社会問題化しています。

それらへの対処のため、現在、各地で進みつつあるのが就学前まで認められてきた部分休業を、実質、延長、補完する子育て部分休暇制度の導入です。既に二十三区では三月、特別区人事・厚生事務組合と職労の連合体との間で同制度を導入した場合の給与の扱いも決まり、制度の導入は各区の判断となっています。品川区では六月定例会で既に同条例が可決されました。
私が本区を除く二十二区の意向を調べると、品川区と同じ来年度四月からの条例施行で準備している区が二十二区中、十二区と過半であり、導入するか否かなお検討中としている本区は、出遅れた区であることは明らかです。本区の職労からは、八月八日、三千三百九十四名の職員署名を添えた同制度導入を求める要望書が提出をされ、須藤総務部長もその検討を約束されたと伺います。

私からも、他区に遅れることなく、会計年度任用職員、また、区費教員を含めた同制度の導入と、職場の負担増とならない職員加配、事務量の調整を求めますけれども、いかがか、区の見解を問います。

◎須藤 総務部長

私から二点御答弁を申し上げます。

まず、子育て部分休暇制度の導入についてでございます。
優秀な人材の確保や流出を防ぐ観点からも、子育て中の職員が安心して働くことができる職場環境をつくることは重要であるというふうに認識をしており、この間も時差勤務等、子育てを支援する様々な制度の拡充に取り組んでまいりました。
こうした中で、お話しの子育て部分休暇につきましては、いわゆる小一の壁などといったような事情を抱える職員にとっては切実な要望であると区としても受け止めており、先般、全職員を対象に実施した働き方に関するアンケート、その点も含めまして必要性の把握に努めておるところでございます。
今後、今申し上げましたアンケート結果や他自治体の状況等も踏まえながら、幼稚園教職員や会計年度任用職員を含めた制度の導入と導入する際の制度内容について具体的な検討を進めてまいります。

続いて、それに関しまして、職員の加配、事務量の調整についてです。
子育てによる休業取得者への代替職員の配置につきましては、様々な優先順位のある中で、育児部分休業を取得されている職員のいる職場に対して直接的に代替職員を配置することは難しい場面も多いですが、長期間の育児休業を取得している多くの職場には常勤の増員をしております。
一方で、先ほど申し上げましたとおり、子育て中の職員が安心して働くことができる環境づくり、こちらは重要な課題ですので、まずは誰もが躊躇せず制度を利用できるよう職場の理解促進を図ることが大切と考えております。
その上で、今後は事業の優先度、困難度といった施策面における課題とともに、休暇・休業制度の取得状況などの現場の運営面においてもこれまで以上に考慮するなど、様々な視点による人員配置を進めることで、誰もが安心して働くことができる職場環境づくりに寄与してまいりたいというふうに考えてございます。私からは以上です。

◆上川あや

子育て部分休暇の導入に関し、再質問いたします。
二十三区中十二区が来年四月からの導入を表明する中で、御答弁では、導入を検討するとしながらも、いつからかは示されない。これはすなわち本区は後発組になるということでしょうか、確認いたします。

◎須藤 総務部長

私から、再質問について御答弁を申し上げます。

先ほども御答弁を申し上げましたとおり、子育て中の職員が安心して働くということができる職場の環境をつくることは大変重要であるというふうに認識をしております。
制度の導入につきましては、お話しの他区の動向や職員の切実な声、こうしたものも十分踏まえながら、時期を逸することなく適切に判断してまいりたいと考えております。以上です。

◆上川あや

時期を逸することなく適切に判断するということですけれども、後発組には決してならない覚悟で進めていただかなければ困ると考えています。
区長も、各幹部もイクボスを宣言したのですから、これ以上、子育てと仕事の両立の困難による離職者を出さない、その体制整備をしっかりとしていただくよう改めて求めまして、私の質問を終わらせていただきます。