区内のほとんどの踏切に視覚障害者用の誘導ブロックが無いことについて伺います。

おととし10月の決算特別委員会で、区内の大部分の踏切に、視覚障害者の安全確保に向けた点字ブロックの敷設がない状況について改善を求めました。
質疑のきっかけは、同年4月、奈良県大和郡山市の踏切で、全盲の女性が列車にはねられ死亡する事故が起きたこと。
また、これを受け国土交通省が同年6月、道路のバリアフリー化指針を改定し、踏切手前と踏切内のそれぞれに形状の異なるブロックの敷設を道路管理者である自治体に求めたことでした。
その後、国交省は、本年1月までに踏切内に設ける点字ブロックなどの誘導表示の形状や配置の基準を新たに定め、改良すべき踏切408か所を新たに指定したとも報じられました。
区内には2か所の同指定箇所があり、一方の道路管理者は東京都、残る一方は区であるようですが、それらを優先的に改善しようにも、なお課題は残ると伺っています。
そこで、まず残る課題は何か、またそれを今、どう乗り越えようとされているかについて、ご説明をいただけますか?

前回の質疑では、区内の公道上の踏切は、鉄道と軌道合わせ、90箇所に上るとのことでした。 
ところが、今回、国は特定道路上の踏切についてのみ――
区内で言いますと、1か所が、区役所西通りと世田谷線が交差する「世田谷1号踏切」、もう一か所が、城山通りと世田谷線が交差する宮の坂駅横の「宮の坂6号踏切」の2か所についてのみ優先して改善するよう求めてきたことになる。
しかし、特定道路以外の道路の踏切についても、特定道路に準じた安全対策を講じていくことが当然、求められると考えるのですが、区のお考えはいかがですか?

では、特定道路を除いた区道上の踏切数は、一体いくつあるでしょうか?

それらについても、道路管理者である区が、各踏切箇所の通行量、その周辺環境、また道路と線路が直交せず、斜めに交差するために、視覚障害者が経路を外れてしまいかねないリスクある道路形状なども考慮した上で優先順位をつけ、その改善を図る必要があると考えるのですが、いかがでしょうか?

先のご答弁では、道路と鉄道が交差する鉄道敷地内へのブロック敷設については、その整備や管理の役割分担についての結論を待つ必要があるとのことでした。
他方、道路と鉄道とが交差をしない、踏切手前の区道については、当然、区が道路を占有する管理の責任者であるわけです。
であるならば、このたび、踏切手前のゴムチップ舗装、カラー舗装等、区で整備するべき仕様は定められたのですから、ただ手をこまねいて踏切内部の役割分担の結論を待つまでもなく、踏切手前については早速準備を進め、順次、改めてゆくべきと考えるのですが、いかがですか?

最後に、国が新たに改訂したガイドラインと、区の施設整備マニュアルとの間にも整合を図って頂かなければならないと考えますがいかがですか?

おととし4月、奈良県大和郡山市で目の不自由な女性が踏切内で電車と接触し、死亡した事故も――
その前年の8月、静岡県三島市で目の不自由な男性が、踏切内で電車と接触し、亡くなった事故も――
踏切内に自分がいると気づけていなかった可能性が指摘されています。
ぜひ、数年計画で…などと時間をかけずに、区がその道路管理者の立場で取りうる改善策は速やかに講じてくださるよう重ねてお願いを申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。