◆上川あや

私からは、不燃ごみのリサイクル、再資源化について伺います。

先日、足立区公式サイトのとあるページが目にとまり大変驚きました。同ページの所管部は、同区の環境部。「燃やさないごみを九〇%以上資源化しています!!」と感嘆符を二つつけたページタイトルで、同区の取組を次のように説明しています。「燃やさないごみの資源化は、細かいガラスくず等の残渣を除き全量資源化しています。資源化率は平成二十四年度以降九〇%を超えており、足立区の燃やさないごみの埋め立て量は東京二十三区内でもトップレベルに少ない量となっています。」

これを読み、当区の資源化率はそれほど高くなかったはずと驚いて、当区のホームページに当たりますと、令和三年度の資源化率は二〇・七%と書かれています。その差は実に七〇%、足立区の資源化率は、当区の実に四・五倍なんですね。
その差に驚き、早速、区の担当者にお話を伺うと、さらに驚く話ばかりを聞くことになりました。いわく、足立区の資源化率九割は確かに高い数字ではあるけれども、二十三区で突出して高い区とも言えず、中央区、江東区、板橋区の三区の資源化率は、何と一〇〇%に達しているそうです。そのため、今挙げた三区では、最終処分場の寿命を縮める不燃ごみの埋立搬入そのものがもうないのだそうです。加えて、北区の資源化率も九三%と、足立区を上回る水準にあると聞き、驚きました。
これに対して本区の資源化率は、昨年度実績で二六%とのことでした。私が見た令和三年度の数字により五ポイント増えたとはいえ、今挙げた各区に比べると全く褒められた数字ではないことは明らかです。区は自らの資源化をどのように見ているでしょうか。

◎荒木 清掃・リサイクル部事業課

環境に配慮した持続可能な社会実現のため、最終処分場の延命や資源の保全、温室効果ガスの削減などに寄与する取組として、区では資源回収が適正なごみ処理を進めております。

不燃ごみの資源化については、委員お話しのとおり、中央区、江東区、板橋区では、不燃ごみの全量を民間の資源化事業者に委託し、ガラス製品や陶器類などを含め資源化に取り組んでおります。また、足立区や北区などについても、不燃ごみの大部分を委託により資源化しており、区内や近郊に資源化できる事業者のある区において、不燃ごみの資源化率が高くなっております。
当区においては、不燃ごみの積み替え中継施設において、蛍光管、小型電子機器、金属系ごみを選別し、金属系ごみについては資源化事業者に委託し、さらに分類の上、金属問屋等に売却しております。令和四年度の実績として、不燃ごみのうち千三百四十九トンを資源化し、資源化率は約二六%となっております。経費は、不燃ごみからの選別と資源化処理委託費とで約六千万円、一方、金属の売払いによる区の歳入は約二千九百万円となっております。適正処理が必要な蛍光管や歳入の見込める金属分など、可能な限り資源化に努めているところでございます。

◆上川あや

当区は単に人口が多いためばかりではなく、ごみ資源化の取組に後れがあることで、最終処分場の寿命を縮める主犯格団体の一つとなっており、その不燃ごみのごみの埋立処分量も都内で断トツ、ワーストワンではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。

◎荒木 清掃・リサイクル部事業課

人口が多いほど排出されるごみ量も多くなることもあり、委員御指摘のとおり、清掃一部事務組合の中間処理施設への不燃ごみ搬入量は二十三区の中で一番多い状況です。

◆上川あや

もう一つ、所管部からお話を伺い驚きましたのが、当区の不燃ごみから資源を取り出し、再資源化する委託事業者が、資源化率九割を誇る足立区と二割強にとどまる当区とで全く同じ事業者で、同社が資源をより分ける拠点も全く同じ足立区内の拠点であるということでした。つまり、全く同じ社の同じ場を使い、当区は資源化にお金をかけず、その資源の取り出しを中途に終わらせ、まだ活用できる資源を埋立てに回す一方で、足立区はよりお金をかけ、かなり徹底して資源化を図り最終処分場の延命に寄与していると、基本的にはこういうことであるようです。
加えて私を驚かせたのは、当区が同事業者と話し合っている中では、この先、必要な人員の増強等体制整備を図ることで、世田谷区の不燃ごみの徹底した資源化もほぼ全量を請け負ってもらえる可能性まであるというお話です。要はそこに費用をかける気があるのか、ないのかが問われてくる。基本的にはこうした理解で正しいでしょうか。

◎荒木 清掃・リサイクル部事業課

不燃ごみ全量資源化の可能性については、この間、事業者へのヒアリングを行いました。実施に当たっての課題として、世田谷区のごみ量は他区に比べて多く、受入れ体制の拡大が必要とのことでした。より多くの資源化に取り組むことは環境負荷の軽減やサーキュラーエコノミーの考えにもつながることから推進していくものと考えております。

◆上川あや

資源化と言えば聞こえはいいもののコストも相当増大するだろうと懸念する向きもあるでしょう。しかし、ごみの資源化にまつわるお金の出し入れについて、所管部からお話を伺うと、単なる支出増だけでは終わらせない旨味となる部分、また区の負担減となるからくりもあるのだと気づきます。
再資源化に伴う資源の取り出しは、その売却収入の増となって区に戻る上に、各区がごみの搬入量に応じて清掃一組に支払う分担金の軽減にもつながるという点で、二重に財政的メリットがあるのだそうです。つまり再資源化を徹底しても単なる経費増とはならず、そう悪い話ばかりではありません。当然環境に優しく、最終処分場の延命に寄与することだってできる。であるならば、本区も全量資源化に向けて前進するべきだと考えるのですが、区の考え方はいかがでしょうか。

◎荒木 清掃・リサイクル部事業課

委員お話しのとおり、ごみ減量やリサイクルを推進することにより、区の清掃一部事務組合への分担金は減少してまいります。また、資源化を進めることは、持続可能な社会の実現や、次世代に豊かな環境を引き継ぐことにも寄与することから、重要であると認識しております。
区では現在、令和六年度に向けて資源化事業者をプロポーザル方式にて選定し、新たな契約に向け準備を進めております。事業者からの資源化提案もあることから、さらなる資源化に向けて品目追加の調整を行っているところです。今後とも、費用対効果や事業者の動向に注視しつつ、将来的には全量資源化を見据えて、不燃ごみのさらなる資源化を図れるよう取り組んでまいります。

◆上川あや

最後に、可燃ごみについても一言いただきたいと思います。足立区環境部では、「ごみの分別で五億円の節約ができます」という別ページも開いています。同区の組成分析では、燃やすごみの中に一三・八%もの資源となる紙類が含まれているということで、金額を示して分別の徹底を呼びかけています。区の分担金の減、売却益の増にもなるよいPR手法だと考えますが、区でも取り組めないでしょうか。

◎荒木 清掃・リサイクル部事業課

分かりやすいキャッチフレーズも含めた広報を行ってまいります。

◆上川あや

ぜひ積極推進をお願いいたします。終わります。