不燃ごみのリサイクル、再資源化について伺います。
先日、足立区公式サイトの、とあるページが目に留まり大変驚きました。
同ページの所管部は、同区の環境部。
「燃やさないごみを90%以上資源化しています!!」と感嘆符を2つ付けたページタイトルで同区の取り組みを次のように説明しています。

「燃やさないごみの資源化は、細かいガラスくず等の残渣を除き、全量資源化しています。
資源化率は平成24年度以降90%を超えており、足立区の燃やさないごみの埋め立て量は東京23区内でもトップレベルに少ない量となっています。」

これを読み、当区の資源化率は、これほど高くなかったはず!?と驚いて当区のホームページにあたりますと、令和3年度の資源化率は20.7%と書かれています。
その差は実に70%。足立区の資源化率は当区の実に4.5倍なんですね。
その差に驚き、早速、区の担当者にお話を伺うと、さらに驚くお話ばかり聞くことになりました。
いわく、足立区の資源化率9割は確かに高い数字ではあるけれど23区で突出して高い区ともいえず、中央区、江東区、板橋区の3区の資源化率は何と100%に達していると。
そのため今挙げた3区は最終処分場の寿命を縮める不燃ごみの埋め立て搬入そのものが、もうないのだそうです。 加えて北区の資源化率も93%と足立区を上回る水準にあると聞き驚きました。
これに対し本区の資源化率は、昨年度実績で26%とのことでした。
私が見た令和3年度の数字より5ポイント増えたとはいえ、今挙げた各区に比べると全く褒められたレベルでないことは明らかです。区は自らの資源化をどのように見ていますか?

当区は単に「人口が多いため」ばかりでなく、ごみ資源化の取り組みに遅れがあることで最終処分場の寿命を縮める主犯格団体の1つとなっており、その不燃ごみのゴミの埋め立て処分量も都内で断トツ、ワースト・ワンではないかと想像するのですがいかがですか?

もう一つ、所管部からお話しを伺い驚いたのが、当区の不燃ごみから資源を取り出し再資源化する委託事業者が、資源化率9割を誇る足立区と、2割強にとどまる当区とで全く同じで、同社が資源を選り分ける拠点も全く同じ、足立区内の拠点であるということでした。
つまり全く同じ社の同じ場を使い、当区は資源化にお金をかけず、その資源の取り出しを中途に終わらせ、まだ活用できる資源を埋め立てる一方で、足立区は、よりお金をかけ、かなり徹底して資源化を図り、最終処分場の延命に寄与していると。——
基本的にはこういう話であるようです。

加えて私を驚かせたのは、当区が同事業者と話し合っているなかでは、この先、必要な人員の増強等、体制整備を図れば、世田谷区の不燃ごみの徹底した資源化もほぼ全量、請け負えってもらえる可能性まであるとのお話です。 
要はそこに費用をかける気があるのか、ないのか?——が問われている。
基本的には、こうした理解で正しいでしょうか?

資源化といえば聞こえはいいが、コストも相当増大すると懸念する向きもあるでしょう。
しかしゴミの資源化にまつわるお金の出し入れについて、所管部からお話を伺うと、単なる支出増だけでは終わらない「うま味」となる部分、また区の負担減となるカラクリもあるのだと気づきます。
再資源化に伴う資源の取り出しは、その売却収入の増となって区に戻るうえに、各区がごみの搬入量に応じて清掃一組に支払う「分担金」の減にもつながるという点で二重に財政的メリットもあるのだそうです。 
つまり再資源化を徹底しても単なる経費増とはならず、そう悪い話ばかりではない。
当然、環境に優しく最終処分場の延命に寄与することもできる。
――であるならば、本区も全量資源化に向けて前進するべきだと考えるのですが、区のお考えはいかがでしょうか。

最後に可燃ゴミの資源化についても一言(いただきたい)。
足立区環境部では「ごみの分別で5億円の節約ができます」という別ページも開いていて、同区のゴミ組成分析では、燃やすごみ中に13.8%もの資源となる紙類が含まれているとして区民に具体的金額を提示して分別の徹底を呼び掛けています。
区の分担金の減、売却益の増にもなる良いPRだと思います。
区でも同様のインパクトある広報をしてはいかがでしょうか?