◆上川あや

令和四年度の各会計決算、全てに賛成の立場から意見と要望を申し上げます。

自治体の憲法、基本構想で区が掲げた基本理念、多様性の尊重は理念に基づく政策の追求と実践こそが大切であるのに、どの所管部もあまりにも手薄ではないですか。

区は、二〇一八年成立の多様性尊重条例で性自認、性的指向への差別を禁じ、性別等の違いに応じた心及び身体の健康支援並びに性の多様性に起因する日常生活の支障を取り除くための支援の二つを条例施策として明記しました。ならば、各行政計画の多様性尊重にも性自認、性的指向が入って当然であるのに、この秋、区が示した幾つもの計画素案でそれらに触れたのは基本計画の一つだけ、しかも計画の理念の下の層に一度登場した後は、政策、施策とも一切記述がありません。
 LGBTQには特有の健康格差や医療アクセス上のバリア、福祉制度の使いづらさ等があるのに、健康と福祉の四計画は全て素通りです。区が語る健康・福祉上の多様性の尊重はこの程度なのでしょうか。その無為、無策、そして無関心が本当に悲しいです。
LGBTQはこのほかにも、社会の偏見ゆえに家探しは困難で正規雇用や無職の割合も高く、その平均収入も、特に離職を迫られるトランスジェンダーで低いと分かっています。加えて学齢期では不登校やいじめ、自殺念慮や自殺未遂、自傷行為の経験割合が、いずれもその他の集団より数倍高いと分かっているのに区教委の教育振興計画もまた素通りです。区教委が語る一人の子どもも置き去りとしないの理念もこの程度なのでしょうか。

人権男女共同参画課も、所管する審議会の傍聴について、電子申請のみで受け付けていますなどと平気で広報しました。全盲の視覚障害者の友人によれば、その電子申請はアクセス困難な代物であるにもかかわらずです。これが区が掲げるDX、ユニバーサルデザインなのでしょうか。

障害福祉部では、障害者手帳の取れない中等度難聴の方への補聴器購入費支援事業を計画中です。ところが、同じく手帳の取れない片耳が高度以上の難聴の方は置き去りの制度設計です。障害の専門所管であれば、こうした隙間にこそ合理的な配慮をいただきたいと考えました。
以上、今定例会では区や区教委の語る美しい理念の隙間や裏側ばかりが目につき、大変残念であるとともに、とても悲しかったです。各所管とも、ぜひ今の自らに何が足りないのかをよくよく考え、その姿勢や事務を改めていただくよう改めて求めまして、私の意見といたします。