区立図書館の漫画対応について伺います。
区教委の対応に納得できないための再質問です。
昨年3月の予算審議で、区立の世田谷文学館では「谷口ジロー展」、「あしたのジョー展」など次々、漫画家の特別展を開くのに、区立図書館で漫画は原則、収集の対象外。
他区の図書館所蔵の漫画図書の借り受けすら拒むのは行き過ぎではないですか? と見直しを求めました。
すると、中央図書館長は漫画について、「区立図書館運営体制あり方検討委員会」でも、蔵書に加える方向で提案をいただいている――とし、「今後、漫画というカテゴリーで収集対象から除外するのではなく、中身の議論を深めることで、より柔軟な図書資料の収集を検討してまいります」 とご答弁になられた。
区外図書館からのマンガの借り受けについても 「取り寄せが可能な資料については提供できるよう、より区民要望に応じた図書館サービスの充実に努めてまいります」とご答弁された。
その結果なのでしょう。
今年の1月、中央図書館にその後の答弁履行状況について報告を求めると、文書で次のように回答された。
「図書館内の資料・調整部会において、漫画の収集・選書について検討を重ね、令和5年 1月11日の館長会にて、令和5年度からマンガを選書対象として収集していくことにした。」
「令和5年度より各図書館の状況により順次漫画を収集していく予定である。」
以上の説明に誤りはないですか?
では、その後の半年で収蔵はどれだけ増えたのか伺います。
前回のご答弁から、1年半かけてこれですか。
全く残念としかいえない答弁です。 それでは、いつから収集を始めるのですか?
区外図書館からの借り受けも改善されたのか疑問です。
本年1月の調査で区教委は「漫画の他自治体からの相互貸借については、自治体内の予約が優先されており、貸借の実績はまだないのが実情」と回答されました。
さも、区としては借りたいが、先方が貸さないのだ、とする回答です。
でも、実態は違いますよね? 実際は区民から借り受けのリクエストがあっても拒否をされている。その証拠に本年5月、次のような苦言が私のもとに届いています。 読み上げます。
「5月の連休、松沢図書室での対応です。
谷口(たにぐち)ジローさんと関川夏央(なつお)さんの「坊ちゃんの時代」というコミックをリクエストしました。
カウンターの方が「世田谷区にはないので、他のところを探してみます」と端末で探している時、隣にいた女性が「これはコミックでは?」と聞かれたので、「そうです」と答えると、区立図書館でコミックは所蔵していないし、他区からも借りられません」と言われました。
奥からも人が出てきて、リクエストのために書いた紙も「お持ち帰りください」と、つき返されました」との苦言です。
この話を伺い、早速、委員会終了後の中央図書館長に声をかけました。
新たな漫画の選定・収集に時間はかかるにしても、区外図書館からの借り受けまで否定する合理性は無いでしょう、と見直しを求めると――
「それはおっしゃる通り。 中央図書館に帰り、状況を確認します」と回答され、「チグハグな対応が生じないよう、現場への周知徹底を図ります」とも仰った。
ところがついぞ、その後のご報告はないままです。
加えて、先月6日、上北沢図書館は、同じ区民の方に区立図書館での漫画の扱いについて次のように説明しています。これは私も録音を聞きました。
「まだちょっと、マンガの受入れのシステムができていないので、今のところ受入れはできないんです。他の図書館からの取り寄せっていうのもできていない状態なので…」とマンガの収集も、区外図書館からの借り受けも否定をしています。
そこで問いますが、区外図書からのマンガの借り受け実績はこの間、あるのでしょうか?
結局、ご答弁から1年半、何ら改善がないのも同然ではないですか?
区立図書館に所蔵がなければ、他区の図書館に、それでもなければ都内の図書館に、それでもダメなら他県の図書館に、最終的には国立国会図書館にも借り受け調整はできると聞くので、ご答弁は言い訳に過ぎないと思います。
しかも、先に話した区民の方が、区外図書館からの借り受けリクエストを断られた、その漫画図書について、一昨日、私が世田谷図書館に借り受けの相談をすると、基本、漫画は扱わないと述べ、いったん確認しますと引き取った末に、何とリクエストが通ったんですね。
最終的に借りられるかどうかは先方の図書館のご判断とのことですが、区民の方が受けた門前払いはありませんでした。
これは、私を議員とみてのVIP待遇でしょうか?
なぜ、こうもバラバラなのですか? 公平な区民へのサービス提供は、できないのですか?
区立図書館はこれまでも、障害者サービス然り、改善しますと答弁しては、その大半を翌年も放置するといったことを、繰り返してきました。
本日のご答弁は守られるのですか?