最後に介護におけるLGBTQの困難です。

まず、同性カップルの介護では、「結婚という制度がない中で、何をもって家族として認め、扱うか」がしばしば医療、介護の関係者間でも問題になる。
トランスジェンダーでも、身体、性自認、戸籍の性別が一致するとは限らないなかで、その人の性が、同性介護の原則のなかで、あるいは多床型の入所施設のなかで、どう扱われるのか等が懸念材料です。
私からこうした課題を提起して、世田谷区では全国に先駆け、介護職、医療職向けの性の多様性の理解研修を始め、3年目となりました。

しかし区が地道に理解者を増やしてくださる一方で、当事者から見れば、理解ある介護人材、福祉人材がどこにいるのかわからない状態です。 
ぜひこのギャップを埋める工夫を区に求めたいのです。

そこで、毎年、区もその作成に協力している介護事業者ガイドブック、『ハートページ』の世田谷区版に、区条例やパートナーシップ制度をご紹介するページを加え、また事業者紹介欄でも、区の研修受講済みマークなどの挿入ができれば、当事者も安心して、公的介護を受けやすくなると考えるのですがいかがでしょうか。