区の外郭団体、産業振興公社が提供するセラ・サービスについて伺います。

セラ・サービスは現在、約8千人の会員を抱え、主として区内中小企業の勤労者会員とその御家族にさまざまな福利厚生サービスを提供しています。
ところが、かつて、このサービスでいう「登録家族」に事実婚の男女は含まれるのに、同性パートナーは含まれず、毎月、同額の会費を払うのに平等な家族サービスの提供はありませんでした。
そこで私も改善を求め、区が性自認、性的指向への差別を禁じる多様性尊重条例を成立させた2018年の春以降、産業振興公社も配偶者の規定を改正し、同性パートナーへのサービス提供を配偶者、事実婚と平等にしたと、区からは報告を受けてきた。 
以上の説明に誤りはないですか。

ところが、ここにきて、区の説明を覆す、おかしな事態ばかりが目につきます。
今年度、セラ・サービスは、そのサービスの多くをベネフィットワンという民間会社提供のものに振り替えました。その結果、事実婚と同性カップルには使えないサービスの案内ばかりとなりました。

今私が手にしているのはセラ・サービス会員に配られた、令和5年度の「【保存版】 セラ・サービス 事業申し込みの手引き」です。
ここでは、「ベネフィット・ステーションを使ってみよう」の見出しに続けて――
「ご利用いただけるのは、会員から2親等以内の家族です」と冒頭、釘が差されています。
その下には、ご丁寧に家系図のイラストまで掲載され、会員本人の相手方の該当者は、配偶者とその両親、その祖父母、その兄弟・姉妹及びその配偶者までと明確です。
その先にページを進めますと、ベネフィット・ステーションから申し込むサービスが盛りだくさんに列挙され、その1から8のサービスのうち4のゴルフ場を除く7つのサービスで、利用範囲は「会員から2親等以内の家族」と限定的に明記されています。
さらにベネフィット・ステーションの会員規約を確認しても「第4条 会員サービスの対象者の範囲」は「原則として、個人会員本人、その配偶者及びそれぞれの2親等以内の親族」と明記されています。

区はそれでも、セラ・サービスの会員は、ベネフィット・ステーション規約の例外で、事実婚と同性カップルも、それらサービスは使えると私に説明されましたが、事実でしょうか?
あらためて公のこの場での確認を求めます。

たとえそれが事実でも、こう執拗に親族以外を排除する説明の連続では、事実婚や同性カップルの皆さんは「自分たちには使えない」と理解し、諦めるのではないですか?
徹底した広報の改善がなければ、排除と同じと考えますが、改善できるのですか?

問題は、それだけではありません。セラ・サービスに直接申し込む事業にも問題があります。
たとえば、セラ・サービスの会員は世田谷区民健康村への宿泊が1泊あたり千円割引されるサービスがあります。
ところがセラ・サービスのこの冊子にも、また現在のセラ・サービスサイトにも「利用泊数:会員から2親等以内の家族について1会員、延べ6泊まで」などと明記されています。
つまり、ここでも事実婚や同性パートナーはハッキリ排除されています。
同様に現在、申し込み受付中の「特別宿泊プラン」、「ホテル一宮シーサイド オーツカ」の案内でも「利用対象」は「会員と2親等以内の親族」と明記されています。

ここで伺いますが、今例示した2つのサービスで、事実婚、同性パートナーは、やはり排除なのですか? 確認を求めます。

等しく割引があるのなら、なぜそうと分かる案内が書けないのですか? 
記載は嘘ではないですか? 区の外郭団体で、なぜこうしたことが、そこかしこで起きるのか説明を求めます。
今後はこのようなことがないよう継続的な点検と、指導を求めますが、いかがでしょうか?
セラ・サービスの案内は、隔月で編集・発行、送付されているのですから、来年度などと言わず、誤りは誤りとして周知してください。

また、参考までに、類似の事業を行っている、東京都人材支援事業団の事業案内を当事者の都職員の友人から借りました。
すると、こちらでは本文の1ページ目から、会員本人とパートナーシップ関係にある方、つまり同性パートナーにも、配偶者と等しい権利があることが明記され、各サービスにもそのように書いています。
こうした対応が、会員や区民を等しく扱うということではないですか?
セラ・サービスもかくあるべきです。

最後にそのことを申し上げ、私の質疑を終わります。