◆上川あや

次に、同性カップルも家族として扱う区内医療機関の可視化が御報告のとおりには進んでいないことについてです。
総括質疑でも触れたとおり、婚姻できない同性カップルは医療機関でも家族として扱われずに、面会や付添い、意識がない本人に代わった医療同意などもできないなどの不利益を受け続けています。長年連れ添う同性パートナーが突然倒れ危篤となりましても、同性パートナーだと伝えている病院からすら連絡一つ受けられないといったことも現実に起きています。

しかし、厚労省のガイドラインに基づけば、そもそも面会、立会い、病状説明、医療同意の対象を親族のみに限るルールなど存在せず、むしろ親しい友人等でもよいと明示をされています。加えて、区では二人の関係性を証明、確認する手段を提供し、医療者を含む事業者に対して理解と協力を呼びかけてきました。つまり、ただただ医療現場の理解が追いついていないんですね。
そこで、ぜひこうした環境を改善していただきたいと区に求め、区も保健医療福祉推進課と人権・男女共同参画課の二課連携で、世田谷区病院長会にも働きかけ、はや四年が経過しました。
その結果、この春には所管から情報提供を受けまして、新年度から、つまりこの四月から同性カップルも夫婦同様に扱う医療機関の公表第一号が出そうだという御報告だったんですが、いまだに変化は何一つないままです。

そこで、二点伺います。
二課連携でタッグを組んで働きかけから四年たちました。同性カップルも等しく家族として扱う、パートナーの死に目に会える医療機関第一号、区内で出るまでにあとどれくらいかかるでしょうか。
また、区内の医療機関から不合理な同性カップルの排除や差別がなくなるまで、区は粘り強く力を貸していただけるのでしょうか。併せて見解を伺います。

◎小泉 保健医療福祉推進課長

医療機関の方が性の多様性の理解を深め、医療現場で同性パートナーの方に対しまして家族同様に対応することは、誰もが安心して医療機関に受診できることにつながり、大変重要なことであると認識してございます。
昨年九月に区内病院と意見交換を行いまして、現場では常に性的マイノリティーの方への配慮を心がけていること、医療同意に関しましては、同性パートナーの方を家族同様に対応していることなど御説明をいただきました。その後、委員から御提案をいただいております医療同意に関する情報の公表につきまして調整を進めておりましたが、現時点において、公表に至ったっていない現状がございます。
区では改めて、本年五月の病院院長会におきまして、性的マイノリティーへの理解を重ねて依頼するとともに、性の多様性理解の研修周知、参加依頼を行っております。
今後も、医療機関に対しまして機会を捉え、意識向上や理解促進の取組を行ってまいります。また、委員御質問の情報の公表につきましては、相手方の事情もございますが、いつまでにとこの場では申し上げられませんが、区としては一日でも早く実現できるよう、関係所管とも連携しながら病院院長会を通じまして、再度の働きかけなど粘り強く取り組んでまいります。