◆上川あや

初めに、私からも難聴者支援について伺います。

区が新たに打ち出した十八歳以上の中等度難聴者のための補聴器購入費助成ですが、大きな前進だと評価しながらも、十分な内容とは捉えておりません。何が問題かといいますと、区の新たな支援対象はあくまでも中等度難聴に限られているんですね。難聴の区分には重い順から、最重度、重度、高度、中等度とあり、高度難聴以上なら障害者手帳が取得できるので補聴器の給付が受けられると、区も単純化をしたのだと思います。

しかし、片耳だけが重度・高度難聴といった場合の方々は、障害者手帳の交付もない上に、区の新たな支援策からもこぼれ落ちてしまいます。
区が中等度難聴のみを対象に新たに立ち上げる支援制度では、医師が装用による効果が高いと認めた側の耳に装用する補聴器購入費用を助成するとあり、片耳への助成を基本としながらも、医師が必要と認めたときは、両耳に装用する補聴器の購入費用をそれぞれ助成するとも書いており、両耳への助成を認めています。
ならば、中等度以上に聞こえづらい片耳の高度・重度難聴者らに対しても支援をしなければ、整合性は取れないと考えます。区の新たな支援では、片耳の高度難聴、重度難聴者にも広げるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

◎宮川 障害施策推進課長

聴覚障害に関する身体障害者手帳の認定基準の一つに、片耳の聴力が九十デシベル以上、かつ、もう片方の耳の聴力が五十デシベル以上という基準があります。片耳難聴の方は、聞こえにくいほうから話しかけられると分からない、あるいは音の方向が分かりにくいなどの不便がありながら、ほとんどの場合、身体障害者手帳に該当しません。
障害福祉部と高齢福祉部では、聴力の低下により周囲とのコミュニケーションが取りにくくなっている中等度難聴者に対して、ライフステージに応じた生活の質を高めることを目的として、来年度十八歳以上の中等度難聴者への補聴器購入費助成を開始予定です。
昨年度制定した条例では、障害者等の意思疎通等を促進するために必要な施策を講ずることを定めており、情報コミュニケーションの推進のため、御指摘の片耳の高度・重度難聴の方も対象とし、補聴器購入費助成を実施してまいります。