はじめに、ご寄付を集める新たな方策を、2つ提案させていただければと思います。
1つ目はネット通販、アマゾンの「ほしい物リスト」の活用です。
「ほしい物リスト」は、アマゾンのサイトに寄付してほしい物品とその理由を掲載し、善意の人に代金を支払ってもらうというサービスです。
代金を払った方は所得税控除も申告でき、物品は直接、自治体指定の現場へと届きます。
浜松市では、おととし12月より動物園と図書館で30点の寄付を、この「ほしい物リスト」で呼びかけ、翌日から続々と品物が届き「これほど早く届くとは」と市の関係者を驚かせたといいます。 また、翌年2月中旬には1点を除き、希望の品は全て揃ったといいます。
公費による購入では契約担当部署を通すため時間がかかりときには予算が認められないケースさえありますが、サイト閲覧者の理解と協力が得られれば時間もコストも削減できる。
今こうした平時からのリストの活用が浜松市や千葉市や石川県小松市などに広がっています。区でもこの仕組みを活用してはいかがでしょうか?
続けて第2の提案は「遺言代用信託」という仕組みの活用です。
日本財団の2017年の調査では「独身子どもなし」で42.6%、「夫婦二人のみ」の世帯では32.8%が、遺産を社会に役立てたいと遺贈の寄付を希望しています。
ところが、実施に遺言書に遺贈寄付を記載するのは、「独身子どもなし」の世帯で1.3%、「夫婦2人のみ」の世帯では0%だといいます。
ご遺志が実行に結びつかないのは、遺言の作成が煩雑で高いコストもかかり、安心できる寄付先もないためとも指摘されています。
このギャップを埋めるべく今、自治体で増えているのが「遺言代用信託」の活用です。
この手法なら現金を預ける「信託」であるために、遺言書の作成は不要です。
自治体も生前託された現金のみを受け取ることができるため「お宝鑑定団」のような遺品の整理、鑑定、廃棄という大変な手間もありません。
この「遺言代用信託」のしくみ、岐阜県内では全ての市町村で既に導入済だといいますが、区でも活用を検討する価値があるのではないですか?