区内鉄道事業者の障害者対応について伺います。
まず、京王電鉄の問題です。
昨年1定の一般質問で、京王電鉄が障害者等に全く配慮なく、次々、駅改札の無人化と駅員削減を同時進行させ、現に区内の視覚障害者が料金精算できない改札口まで生じていると指摘し、区に区民の利益を代弁する立場からの対処を求めましたが、当時の区のご答弁にあった京王電鉄側の説明には重大な嘘がありますね。
京王電鉄が健常者だけを前提に駅改札の無人化と駅員削減が進めるなか、視覚障害者が出発駅改札で行き先を告げ、その後の乗換駅と終着駅とで各駅員から介助を受け移動するリレーサービスが維持できるのか区の把握と考察を伺うと、区は次のように答弁しています。
「京王電鉄では、これまでも駅での支援が必要な方には、駅係員による電車への乗降の際に必要なサポート支援を実施してきたと承知しております」
「議員お話しのリレーサービスを含む区民の安全な移動の担保につきましては、区としても必要不可欠なサービスと認識しております。京王電鉄からは、障害者に限らず、誰もが安心して鉄道を御利用いただける体制をこれまで同様維持すると伺っておりますので、引き続き取組を注視してまいります。」
これだけ聞くと一定程度、安心できるものと早合点しますが、先般、京王電鉄が井の頭線渋谷駅で他社線へのリレーサービスを止めていることがわかりました。
JR側から京王井の頭線に乗り換える場合には、JRの駅員が複雑な途中経路を介助、誘導して京王線の駅係員まで繋ぐので問題なく移動できますが、驚くことにその逆の対応を京王電鉄が4年前から止めているというのです。
現在、渋谷駅では大規模再開発が進行中で、乗り換え経路も、駅改札の配置さえ変わるのに、これでは井の頭線を利用する障害ある区民の安全は保てません。
区には区民の安全・安心な移動を担保するという強い姿勢で、京王電鉄に善処を求めていただきたいと考えますがいかがですか?
次に小田急電鉄の問題です。
小田急電鉄に70の駅があるうち、現在までに23駅で早朝の時間帯、駅無人化が行われています。
世田谷区内では2021年3月13日から喜多見駅で、昨年3月12日から、豪徳寺と祖師谷大蔵の2駅で始発から6時半まで駅員不在となっています。
同時間帯はホームから車両までスロープを渡す駅員もいないため、車いすの方なら無人改札にあるインターホンを押して他の駅から駅員が駆けつけてくるまで電車に乗れず、視覚障害者に至っては手探りでのインターホン探しから強いられます。
京王電鉄は、事前に早朝の介助を必要とする場合には、前日の午後5時までに「お客様センター」に電話をいただけば対応するとしていますが、夜間、早朝の急用に用をなさないことは明らかです。
このため午後5時以降、翌朝の介助をお願いするにはどうすればよいのか、区内の全盲の視覚障害者が繰り返し問い合わせると、ようやくお客さまセンターから主幹駅が13あるので、その電話番号を調べて連絡して欲しいと言われ、13駅がどこなのかの案内もなかったといいます。
調べますと、小田急電鉄ではこの間、主要な13駅を除き、外線電話を廃止しています。
代わって「お客様センター」が一元的に電話を受けていますが、その営業時間は朝9時から午後5時までの8時間。それ以降は、「お電話ありがとうございました」の自動音声で電話は切られ、夜間、早朝も電話が繋がる13駅の音声案内はないままです。不親切すぎるのではないでしょうか?
そこで伺いますが、区からまず小田急電鉄にこの音声案内の改善を求めていただけないですか? この点が改善されれば、車いすの方なら待ち時間が減り、視覚障害者も手探りでのインターホン探しをしないで済む可能性が高まりますけれどもいかがですか?
ぜひ速やかに改善されるよう、よろしくお願いいたします。
最後に、今挙げた夜間早朝の連絡手段が確保された場合でも、区内の小田急線3駅の早朝無人駅は、障害当事者の移動の自由と安全性を明らかに低下させている事実は変わりません。区は小田急電鉄に人員の再配置を強く求めるべきではないですか? いかがですか?