◆上川あや

世田谷246ハーフマラソンについて伺います。

今、世界の主要なマラソン大会では、そのエントリーに際し、男女の二者択一を強要しない大会が増えています。性自認が男女のどちらでもないノンバイナリーという第三の枠の新設で、性の多様性を包摂する大会が増えています。世界の市民ランナーが憧れる世界の六大マラソン大会をワールドマラソンメジャーズと呼び、そこにはロンドン、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティーマラソンと東京マラソンが入りますが、昨年までに東京を除く五大大会全てがノンバイナリーの枠を認めると発表しています。この動きは早晩、東京マラソンにも及ぶと期待したいですが、G7で唯一、同性カップルの法的保障もなく、差別禁止法もないこの国では周回遅れが続くのかもしれません。ならば、ぜひ、その改革をまつまでもなく、世田谷区から改善しませんかというのが本日の提案です。

第三の枠など設定してエントリーする人など出てくるのという疑問もあるかもしれません。
しかし、二〇一六年に区が実施した性的マイノリティー支援のための暮らしと意識に関する実態調査でも、性的マイノリティーの当事者約千人から回答を得て、あなたが現在自認している性別をお答えくださいの問いに、一四・六%がどちらとも言えないと回答しています。男女のどちらにも当てはまらない性自認の人を日本では独自にXジェンダーと呼びますが、LGBTQのコミュニティーでは全く珍しい存在ではないのです。

また、現在、約二百五十名で活動しているXジェンダーの自助サークル、ラベル・エックスに今回の提案趣旨をお伝えすると大変喜ばれ、私たちも喜んで協力したい、必ずエントリーしたいと前向きでした。第三の枠をつくっても既存の男女の枠は壊れません。Xジェンダーのランナーは目立ちもせず、同じ時間、同じコースを男女のランナーに交じって走るだけです。一人一人の人格に深く根差した性自認を互いに大切にしながら、誰の権利も侵さず、先進国標準の区の多様性尊重条例の基本理念にもかなう大会運営につながると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。

◎荒 スポーツ推進課長

世田谷246ハーフマラソンにつきましては、スポーツの基礎となる走ることを通じ、健康増進と体力向上を図りながら、継続的にスポーツを行っていくための目標として御参加いただける区の代表的な競技大会として実施しております。
委員御指摘いただきましたように、申込み時に男女別の参加種目を選択せざるを得ないことによって大会に御参加いただけない方がいらっしゃることは、スポーツを通じた多様性の尊重と共生社会の実現を目指す世田谷区として対応すべき課題であると考えております。今後、男女別の参加種目を選択しなくても大会に御参加いただける仕組みについて、関係機関等と協議しながら検討してまいります。

◆上川あや

ぜひお願いいたします。