◆上川あや
パワハラ、セクハラ等に遭った場合の相談窓口や、組織の不正に気づいたとき、通報できる公益通報の窓口が非常勤で働く会計年度任用職員や東京都採用教員の方々等にきちんと周知されていないことについて伺います。
昨年十月、区の会計年度任用職員として出先機関で働く友人からパワハラ被害の相談を受けました。
組織の長から会計年度任用職員に対し辞職を促すかのような発言が繰り返されており、まずは区の担当窓口に相談するよう勧めましたが、その窓口自体、案内された記憶がないという説明で驚きました。では、組織の不正を告発できる公益通報の窓口も知らないのと聞くと、そのような制度の存在も、通報窓口も知らされていないといいます。そこで、区の清掃事務所で最近まで会計年度任用職員で働いていた友人と世田谷区立学校で働く東京都採用教員の友人にも尋ねたところ、区のハラスメント相談窓口と公益通報窓口のどちらも全く案内されたことはないという回答でした。
そこでまず、確認します。
区で働く会計年度任用職員や東京都採用教員のハラスメント相談や公益通報を受け付けるのは区の責務であると思うのですが、いかがですか。
◎増井 職員厚生課長
職場においてハラスメントはあってはならないことであり、また、刑事罰の対象となるような不正もあってはならないことでございます。
区では、会計年度任用職員や東京都採用の教員を含めてハラスメントの予防や対応、通報内容に対する適切な対応を行っていく責務がございます。このため、これらのことへの理解を促進することや、ハラスメントの相談窓口や公益通報の通報先の周知は重要と認識しております。
◆上川あや
では、その大切な周知をこれまでどのように図ってきたのかと伺いますと、次の三つのパラグラフで模範解答が返ってきましたので、御紹介します。
まず、パラグラフの一、ハラスメントや公益通報に関する制度の周知は、会計年度任用職員を含む全ての職員にとって重要なことと認識しており、庁内公開サイトや職員向けの広報誌などを通じて周知を行っております。引用は以上です。
まず、区のDX担当によりますと、庁内公開サイトにアクセスできるICカードを持つ会計年度任用職員は約半数、つまりここで約二千四百人がこぼれ落ちます。残りの半分も出先機関によりアクセスできるパソコン自体が限られ、そもそも掲載情報の周知がないので、イントラを見慣れない職員にとっては必ずしも行き着ける情報ではないでしょうと、非常に明快で御誠実な御説明でした。
また、区立学校で働く都採用教員に尋ねても、私たちに区のイントラネットへのアクセス権はありませんとの返答です。ここでまた、二千六百人以上がこぼれ落ちます。つまり、庁内公開サイトは全く不十分な周知方法ではないのでしょうか。
◎増井 職員厚生課長
庁内公開サイトは、日常、庁内のパソコンを使って業務を行う会計年度任用職員を含め、多くの職員にとってはアクセスしやすいものとの認識でおります。しかし、職員全てがパソコンを使う業務となっていないことから、庁内公開サイトへの掲載は周知方法の一つとして捉えております。ハラスメントや公益通報の理解という点から、研修でも、これらをテーマとして取り組んでいるところですが、職員向けの広報誌、健康管理だより、また、区教育委員会においては、教職員健康管理ニュースなどで取り上げるなど周知をしております。
◆上川あや
職員向けの広報誌でも周知をしているということですが、庁内報けやきへの当該情報の掲載はたった年一回、その時期働いていない短期の職員には関係ない上に、清掃事務所で働いた友人に聞きますと、庁内報などもらったこともなく、回覧すら受け取る立場ではない。区は現場のこと分かっていないんじゃないのという反応でした。結局、この方法での周知も不徹底ではないでしょうか。
◎増井 職員厚生課長
ハラスメントや公益通報に限らず、職員向けに作成したものは全ての職員が目にすることが重要であり、各所属において現場実態に即した形で適した周知ができるよう、回覧などを含め、漏れなく見ることができるよう各所属に依頼をしております。知らなかったという職員の中には、周知を図っても見逃がすことや、目にしたものの記憶が残らず、必要なときに思い出せないといったことも起きていると考えられますが、一部周知が不十分なところがあった点につきましては、今後改善していきたいと考えております。
◆上川あや
次に、パラグラフの二と三を続けて読みます。
会計年度任用職員については勤務条件や利用可能な制度をまとめた会計年度任用職員に関する手引きにも掲載し、庁内公開サイトに掲載しております。この手引きについては、会計年度任用職員に漏れなく周知するよう各所属長に依頼しており、具体的には、各職場の環境に応じて、庁内公開サイト上の掲載場所を案内したり、所属に閲覧用を据え置く対応を講じることなどを依頼しているところです。引用は以上です。
しかし、この対応実態を所管課に問いますと、児童課では、会計年度任用職員の採用時にのみプリントは手渡すが、その後の更新版は手渡されず、清掃事務所に至っては手引きの一部を抜粋して説明、説明です。つまり、配付がありません。依頼どおりの漏れない周知などされておりません。現場任せで点検、管理のないだだ漏れ、改めていただけないでしょうか。
◎増井 職員厚生課長
会計年度任用職員向けには、公務員倫理、服務規程、給与など働く上で必要なものをまとめた手引きを毎年度作成しております。この手引きの中で、ハラスメントの相談窓口についても掲載しております。次年度には、公益通報窓口の掲載も新たに追記いたします。所属を通して各会計年度任用職員に行き渡るようにすべきところであり、次年度に向けては、改めて個々の職員の目に触れ、必要なときに職員が見ることができるよう、各所属には依頼してまいります。また、ハラスメントや公益通報については、手引きのみではなく、既に一部ではございますが、ポスター掲示などを進めていきたいと考えております。
◆上川あや
所管課にハラスメントの相談窓口や公益通報窓口の情報は、全ての職員が必要とするときにアクセスできるようにするべきですと申し上げたところ、日常的に必要情報に触れられるよう、各職場の更衣室等に貼り紙をするという大変古風な改善策が示され、既に新BOPと保育園、清掃事務所に掲示をお願いしたということです。お願いしたらしっ放しの現場任せが不安ですし、この三つの職場だけで十分とは思えませんが、いかがでしょうか。
◎増井 職員厚生課長
職場の中でいつでも目に留まるようにする方法として、相談窓口や通報先など、大切な情報を提示することは最も有効と認識しております。ポスター掲示をしたところ、既にそれを見た方からの相談も受けているところでございます。今後、職員の目に留まるところなど、掲示先を増やしていくことを考えております。
◆上川あや
率直に申し上げて、非常に頼りないです。ぜひこうした職員に対する必要情報の提供、相談・通報窓口こそ、スマホでいつでもアクセスできるようDXを推進していただきたいとお願いをして、私の質疑を終わります。