◆上川あや
令和三年度世田谷区各会計決算認定全てに賛成する立場から、以下の三点の意見と要望を申し上げます。
まず一点目。平素、気づかれにくい少数派のニーズにも迅速的確に対処してくださる区政を評価します。
さきの総括質疑で、私からは、日本トイレ協会が本年実施したアンケート調査でも、男性の約一割が尿取りパッド等の吸水用具を使っているとのデータを紹介し、区営施設の男性用トイレの個室にもサニタリーボックスの設置を求めました。また、補充質疑では、乳がん手術後の女性等への配慮として、区民健康村での入浴着の導入を求めました。
いずれの御答弁も、当人の立場に立った温かさが印象的でうれしく思う一方で、こうした思考法からの事務改善は、区民福祉の向上を図る行政にとっては大前提であるものと再確認をする思いです。その原点に立った各施策への判断を改めて求めます。次に、多様性尊重条例の理念に沿った施策推進を徹底していくことを求めます。
同条例は、性自認、性的指向への差別を明文で禁じており、区はこの差別の禁止や同性カップルへの差別も含まれると答弁をしております。ところが、本条例の施行から四年半たつ今も、区の外郭団体では休暇制度など一部の制度を平等にすることをもって改革努力が止まっており残念です。この点を指摘した私の補充質疑に対し、外郭団体に指導助言する立場の政策経営部からも、また、本条例を所管する生活文化政策部からも大変心強い御答弁があったことに安堵しています。しかしながら、本来議員に言われずともできた改革であるはずのことです。区内事業者に対する働きかけ等を含め、引き続きの改善努力を改めて求めます。最後に、区と区教委が優れた規定方針等を持ちながらも、現場で徹底されていない場合があることに再点検を求めます。
区教委は私の議会質問に応え、全国に先駆け全区立中学校での校則公開の方針を決めましたが、学校ホームページとはまた別の裏校則が存在する学校があることをさきの文教領域の質疑で指摘いたしました。また、学校により校則の公開方法もばらばらで、校則が見つからない学校ホームページまである中で、それぞれに改善を求め、了承されたところです。
優れた行政方針も絵に描いた餅では何の意味もないことは当然のこと、評価、点検と改善こそが大切です。このことを改めて全領域に申し上げ、私の意見といたします。