次に、障害福祉部と区立図書館がそれぞれ関わる点字翻訳サービスでの相互調整と補完の必要性についてです。

障害福祉部所管の「点字図書給付事業」は、一般に市販されている活字図書に比べ、べらぼうに高くなる点字図書との差額を補助し、視覚障害者の情報入手を支援するものです。しかし、その利用実績は、昨年度たった3件しかありません。
その詳細を所管部に伺うと、同事業は単に既存の点字図書を給付するのみならず、実は点訳されてない図書でも区民からリクエストを受けた場合には、区が点訳経費を補助する形で給付できる事業であるとの説明です。しかし要綱上も、区の広報でも「点字図書を給付する」とのみ書かれ、新たな点訳にまで応じるとは読めない説明となっています。

この、いわば「裏メニュー」となっているサービスを点字図書の利用に関心が高い区内の全盲の視覚障害者の方にお伝えすると、「点字図書の差額を補填する制度があることは知っていたが「新たな点訳にも応じるとは聞いたことがない」と大変驚いておられました。

こうした制度の不案内は決して好ましくはなく、要綱規定も広報における説明も、新規の点訳を必要とする方に伝わる文面に改めていくよう求めますがいかがでしょうか?

また、同事業を所管する障害福祉部は、区内点訳サークルが全くの無料奉仕で、年間1万ページを超える区内の点訳ニーズに応えている現状を知らず、他方、その点訳サークルとの連絡を復活させようとする区教委も「障害福祉部の事業で新規の点訳まで担える裏事情を知らない」という相互の無関心にも大変驚きます。まさに縦割り行政の弊害そのものです。

同給付事業で出版施設には点訳経費を払い、他方、区がみずから育てた点訳者には無料奉仕を迫り続ける不公正は改めるべきですし、既存の出版物ではない私的な点訳ニーズに応えることを含め、相互に役割分担を整理のうえ、区民に案内するよう求め見解を問います。