ひとり暮らし世帯が急増し、社会的に孤立する人や、誰にも看取られず亡くなる人が増え続ける中で、65歳未満の孤立死の実態が把握されていないことについて伺います。

いま、私が手にしているのは、「世田谷区における高齢者見守りの取組み」という、区がホームページで公開している18ページの資料です。議員の皆さんには配布のタブレットでも共有しています。

ページ構成は次のようになっています。
まず、冒頭ページが、国の高齢者統計。 2ページ目と3ページ目の一部が、区の高齢者統計。
3ページ半ばから6ページにかけての3ページ半が世田谷区独自の「平成30年度 高齢者孤立死の調査結果」であり、冒頭の説明部分にはこうあります。

「誰にも看取られず自宅で死亡し、死後数日を経過し発見されたもので、区及びあんしんすこやかセンターにて把握された件数を計上しています」。

そして区内の65歳以上の高齢者の孤立死、82件について、性別、年齢、発見までの期間、発見月、発見者、介護保険その他のサービス利用状況等を詳細に分析したレポートとなっています。
最後に残る11枚のページは全て、区の見守り施策の紹介となっています。
当区で独自に把握した、この区内孤立死の調査結果について、65歳未満のデータもいただけないですか?——と問い合わせたところ、返って来たメールでの回答はただ一言。
「65歳未満の状況は把握していないとのことでした。」

そこで伺います。
区は65歳未満の現役世代の孤立死について、なぜ把握し、分析しようとなさらないのですか? その命の重みと対策の必要性に変わりはないのではないですか? いかがですか?
高齢者で把握できるものが、現役世代で把握できない筈などないのです。
要は現役世代への目配りが不足しているのではないですか?
先に上げた資料の後段、11ページにもわたる見守り施策の中で、65歳未満でもご利用いただけるものは、どれとどれですか?

65歳未満の孤立死について、もっと把握する努力が必要だと思います。

東京都の監察医務院が公表する統計資料によると、令和2年度の「一人暮らしの者の死」、つまり単身の自宅住まいで、他者により発見された死亡者の数、すなわち「孤立死」の数は、都内全体で7673人となっています。

このうち65歳未満の割合は、男性が37.12%、女性が19.69%です。

つまり、現役世代の孤立死は男性で4割、女性で2割にも上りますが、区にはデータの蓄積も考察もなく、支援策もほとんど無いというのが現状です。
そこに「見守り」があれば、守れた命もあったのではないですか? 
今後は65歳未満の孤立死についても把握し、分析し、孤立死の予防や異変の早期発見の手立てを検討するよう求めますが、いかがですか?

最後に今、具体的に動ける支援策について問います。
先週、現役世代の見守り支援に取り組む「NPO法人エンリッチ」代表の紺野 功(いさお)さんという方にお会いしてきました。
2015年2月、自宅マンションで自営業をされていた当時51歳の弟さんを孤独死で亡くされ、現役世代に対する行政の無策を痛感したことをキッカケに、LINEのプッシュ通知に相手がタップすることで日々、安否確認をし、異変があれば登録した連絡先に知らせる、もしくはスタッフが駆けつける「見守り支援」事業を立ち上げ、ご活動されています。

現在のサービス利用者は、約9000人。しかし先月はひと月で600人増加、前々月もひと月で400人増加と、利用者も急増しています。
そこではサービス利用者の大部分が現役世代なのですが、もしもの際の連絡先が書けない方も多く、誰でもよいから書いて――と求めても実際に駆けつけて下さるとは限らない課題があるということです。このため自治体との連携を模索されています。

実際、23区全てにあたって協力関係を作れたのは杉並と足立の2区だけというのが悲しいです。 65歳以上では区も多くの事業者と見守り協力協定を結べているのですから、65歳未満の区民のための連携もできないはずなどないと思うのですが、ご協力いただけないですか? 区の見解を伺います。