◆上川あや

次に、話は変わりまして、二〇一六年十月以降、国土交通省が発注する公共工事で全面導入された快適トイレというものについて取り上げます。

かつて工事現場の仮設トイレは、明かりなし、和式便器、悪臭充満のくみ取り式の暗い、臭い、汚いの三K職場の象徴のようにも言われました。そこで国交省では、公共工事現場に設置する仮設トイレを快適トイレとして標準化し、洋式便座、水洗機能、臭いの逆流防止や照明、施錠機能など、あるべき機能一式を示しています。
この快適トイレの導入が今、北海道、福島、長野、新潟、三重、徳島、福岡県等の公共工事にも広がりを見せております。
東京都でも建設局や都市整備局の工事では、受注者側に快適トイレを設置したい意向がある場合には、協議の上、別途費用を追加すると聞いています。世田谷区でもこうした労働環境の質改善に取り組まれてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

◎並木 公共施設マネジメント課長

建設現場を誰もが働きやすい環境とするという取組は、工事発注者として大切な視点です。
トイレは日々、生活の中で誰もが利用する施設であり、委員お話しの国や東京都が示す誰でも快適に使用できる快適トイレは、建築現場の環境改善に寄与すると考えます。東京都は、この快適トイレ導入の取組により、災害時に避難所に持ち込まれる仮設トイレも変わるという副次的効果が期待されるとしています。

区といたしましては、東京都と同様、職場環境改善のため、建設現場に快適トイレを設置する意向のある受注者からの協議、申出があった場合、設置に要する費用につきましては、設計変更等により工事価格に適正に反映するよう努めてまいります。