◆上川あや
まず、さきの一般質問に続きまして、個人情報保護条例の全部改正に伴う要配慮個人情報の規定の整備に関し、国籍の扱いについて伺います。
国の改正個人情報保護法が法文に列挙した要配慮個人情報には、人種、信条、社会的身分、病歴等が含まれます。国が示したガイドラインでは、ここで言う人種には民族が含まれる一方で、国籍は含まれないということが書かれています。他方、区の多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例第七条は差別の解消等を規定し、LGBT差別のみならず、全国で初めて民族、国籍差別を禁じました。
区内での外国人差別の状況については、二〇一七年六月に法務省が実施をした外国人住民調査の世田谷区内データの抜粋から、外国人であることを理由に入居を断られた経験は五〇%に、就職を断られた経験も二二%にあった一方、二七・五%もの方が過去五年間に差別的なことを言われた経験があるなど、非常に深刻だと受け止めております。
また、民族名である本名とは別に、日本名である通名を住民票に併記した外国籍の方の多さも見逃すことができません。先月十四日時点で本区に通名を登録した韓国籍住民の数は千六百名以上、在日コリアンに多い通名登録は、植民地支配下の朝鮮で日本が始めた創氏改名に由来し、戦後、姓名が戻された後も、日本に残った多くのコリアンが差別を恐れたために、この通名を使用し続けたことに由来するとされます。
こうした事実を捉えるならば、国が要配慮個人情報として扱わない国籍についても、当区では条例要配慮個人情報として規定するべきとの考えで、さきの一般質問でもLGBTとともに上げたところですが、LGBTについては特段の配慮が必要ということで、規定の整備が認識としてお示しいただいた一方で、国籍についての御答弁はありませんでした。この国籍についても、他の情報よりセンシティブに扱うべきだという部分、どのようにお考えになるでしょうか。
◎末竹 区政情報課長
個人情報保護法における国の国籍に関する解釈としては、委員お話しのように、国籍や外国人という情報は法的地位であるとし、法で規定する要配慮個人情報の対象外との見解が示されています。一方、区では、多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例におきまして、国籍による差別の解消等を規定しているところであり、御指摘のような懸念にも一定の配慮を要するものと捉えてございます。
改正法の条例要配慮個人情報の規定については、いまだ国の解釈にも不確定な部分があることから、LGBTの方に関する個人情報の取扱いと同様に、引き続き検討する必要があると考えております。国や他自治体の動向に関する情報収集に努めるほか、パブリックコメントや今後の審議会の議論なども踏まえ、条例案の整備に向けて検討してまいります。
◆上川あや
ぜひ御安心いただける規定上の配慮をお願いいたします。