最後に区が素案を取りまとめた個人情報保護条例の全部改正についてです。

昨年5月に公布された「デジタル改革関連法」により個人情報保護法が改正され、従来、国と自治体、民間で異なっていた個人情報保護のルールも一本化されることが決まりました。しかし全てが一律という訳ではなく、区の裁量で条例化できる部分も残されています。

その一つが、「条例要配慮個人情報」の設定です。
改正個人情報保護法では、その中で明示的に規定されていない個人情報でも、自治体においてその保有が想定され、その地域性に応じて不当な差別、偏見その他の不利益が生じないよう特に配慮を要する場合には、その自治体が適正な取扱いを確保できるよう、条例で「条例要配慮個人情報」として定めることができる規定が設けられています。
しかし、この「条例要配慮個人情報」に対する区の考えを最新の常任委員会資料から確認すると、「具体的な想定事項がないことから現時点では規定を置かないこととする」とあっさり素通りです。

本区は、男女共同参画と多文化共生を推進する条例を制定し、全国で初めて民族・国籍差別を禁ずるとともに性的指向、性自認に基づく差別も禁じた人権擁護の先進自治体の1つです。
また、お隣、渋谷区とともに、全国に先駆け同性カップルを認める同性パートナーシップ宣誓制度をスタートさせ、この7年間で利用者は400名を超えています。
こうした中、すでに国の「個人情報保護制度の見直しに関するタスクフォース」による「最終報告」でも「LGBTに関する事項」「一定の地域の出身である事実」等が「条例要配慮個人情報」の例として示されているところです。
ならばぜひ、区には「条例要配慮個人情報」の整備を目指していただきたいと思うのです。

区外を見渡せば、2018年4月施行の国立市条例を皮切りに、性的マイノリティの性自認や性的指向などを第三者が勝手に暴露する「アウティング」と呼ばれる行為を禁止する条例制定が増えており、都内では港区、豊島区、江戸川区でも成立しています。こうした中、世田谷区の個人情報保護条例での対応が、劣後に置かれることがないようにと願っています。

そこで最初の質問です。

「条例要配慮個人情報」を規定した法第60 条第5項が前提とする「地域の特性その他の事情」には本区が独自の施策として取り組んできた同性パートナーシップ宣誓や性的マイノリティに特化した電話相談等の個人情報も含まれうるように思うのですが、いかがでしょうか?

2点目に、関連規定の解釈をめぐる国の個人情報保護委員会とのやりとりから、現状では、「条例要配慮個人情報」にLGBTや国籍等の違いを追記することが難しい場合でも、それに代わる内部規定はしっかり定めると、お約束いただきたい。この点、いかがお考えになるかを伺い、壇上からの質問を終わります。