はじめに、「地域行政推進条例」について伺います。
課題の第一は、区が条例案 第6条に規定する(広報広聴機能の充実)を、いかに機能させるのか、具体的なルールが何ら見えないことについてです。

第6条では、「まちづくりセンターは、情報通信技術等の多様な手段を用いて、地区における「まちづくり」に係る情報の区民への発信及び区民との情報の共有を図るとともに、区民との対話により地区における多様な意見を把握し、これを生かしてまちづくりの促進及び行政サービスの充実を図るものとする」と規定しています。

一方、区では従前より、区に寄せられたさまざまな住民の声を「区民の声取扱要領」のルールに基づき、迅速・的確に記録し、管理してきました。
「区民の声取扱要領」では、区に寄せられた区民の声が「区民の声システム」により一元管理されています。基本、お声を寄せられた区民の方の住所、氏名が明らかで回答を求める内容ならば「区民の声システム」に記録され、原則4開庁日以内で回答します。 
また所管課からの回答は、広報広聴課で進行管理され、区長等に情報共有されたのち、区民に公表し、データは5年間保存されるという素晴らしいルールです。

しかし、その適用対象は、受付施設や連絡手段が限定されており、本庁舎あるいは総合支所に直接申立者が来たもの、そのいずれかに電話、FAXできたもの、一般の封書やハガキできたもの、出張所やまちづくりセンター、図書館等で配付している「区長へのハガキ」できたもの、区のホームページ等を介した区長へのメールできたものに限られています。
このため、条例案 第6条の「情報通信技術等の多様な手段」の活用も同要領・規定の想定外。合致しないままとなっています。
また区が議会に示した「地域行政推進計画」案から取り組みの具体的な方向性を見ても、まず区が「区民生活を包括的に支援する拠点」と位置付ける「まちづくりセンター」が実態として「区民の声取扱要領」の対象外。

昨年度の受付実績も、28か所のまちづくりセンターでたった1件と機能していないことは明らかです。
また、そこでいただくご相談等を映像システムで本庁、総合支所へとつなぐ区の重点取り組み、「オンライン相談」も「映像システム」が同要領の規定にない想定外。 オンラインやSNS等を活用した意見交換の実施も、また然りというナイナイ尽くしとなっています。
このような状況である以上、「区民の声取扱要領」の適用対象を条例施行に合わせバージョンアップ、拡大させるか、それに準じた記録と保存、回答と共有、区民公開のルールが別途、必要なはずですが、そのいずれもが現状、見当たらないのです。
これでは頂いた意見、要望、提案が、どう記録、保存、回答、共有、公開されるのか分からず、ややもすると単なるガス抜きの場を増やすことにしか繋がらないのでは? と危惧します。
このため、先の委員会でも私より、これら条例案6条で規定する広聴手法の充実について、「区民の声取り扱い要領」並みの明確な対応サイクルが明文化されるべきだと求めましたが、想定外の質問に戸惑われたご様子で、納得に足るご答弁はいただけませんでした。
この点、全体として対応サイクルをどう明確化されるのか、ぜひ所管の副区長より、ご答弁いただければと思います。

先の特別委員会では、私よりもう一点、新条例と区の行政手続条例との関りについても課題を指摘いたしました。

区は、「地域行政推進条例案」の第4条 (基本方針) (1)の規定で、今後まちづくりセンターが、区民生活を包括的に支援する行政拠点として多様な相談 及び手続に対応する窓口を担う点を明確にしたと説明をしてきました。その変化と行政手続条例 第5条の規定は両立するのでしょうか?

行政手続条例の第5条第1項及び第2項は、審査機関に申請に対して許認可等するかどうかの判断基準をあらかじめ定め、その基準はできる限り具体的でなければならないとし、続く第3項では、特別の支障があるときを除き、審査基準は申請の提出先とされている事務所における備付け、その他の適当な方法により公にしておかなければならないと定めています。

この審査基準は、区の例規類集にある条例や規則、区の要綱集にある要綱のレベルだけではない筈です。
現実には庁内でも、本庁の担当職員、数人しか承知していない手元マニュアル等が数多くあるなかで、28か所のまちづくりセンターで、行政手続条例が規定する「事務所における備付け、その他の適当な方法により公にしておくこと」が実現できるのか疑問です。
この点も先の委員会で質問しましたが、やはり答えに窮したご様子で不安が残ったというのが正直なところです。ここでも条例規定にある逃げ口上、「特別な支障がある時」に該当し、示せないといったことがないよう、対応力の強化、整備を求め。区の見解を問います。