◆上川あや
令和4年度の各会計予算に賛成する立場から、以下3点の意見を申し上げます。
まず、区に自覚を求めたいのは、行政運営において管理責任のあからさまな放棄など許されないということです。
都市整備領域の質疑で指摘したとおり、区が「管理責任者」である区道上には6040件もの違法な道路占用物件が溢れています。 ところがこの2年、区が指導したのは落下、倒壊の恐れがあった7件と、老朽化程度の高かった115件だけです。
指導割合は1.9%。なんと98%を放置しています。
加えて、区は私の質疑に対し、根拠を持った道路指導には実測調査が不可欠だとしてきました。ところが、その調査費計上は2年続けて却下。つまり道路指導を放棄しています。当然、区に入るべき道路占用料収入も未収です。
今年度、区は適法の道路占用許可物件113件から1600万円を超える道路占用料収入を得ていますが、一方でその53倍、6040件もの違法な看板類を放置しています。
正直者がバカを見るとはまさにこのことです。
公金の賦課、徴収を怠る事実は違法です。
監査請求をしなければ、改められないのですか。速やかな指導を改めて求めます。第2に区民の多様性に配慮した行政運営についてです。
区民生活領域の質疑では、区が策定を進めている「文化芸術振興計画」で、「経済的状況にかかわらず、文化・芸術に触れ、親しむことができる機会の充実」に取り組むとしながらも、区立美術館等の入館料設定に配慮がないことを問いました。
福祉保健領域の質疑では、区に平成18年策定の「視覚情報のユニバーサルデザインガイドライン」がありながら、ワクチン予約サイトが色覚の差に配慮の行き届かない仕様であることを問いました。
加えて、文教領域の質疑でも、区が例年、人権週間に開いてきた「映画と講演の集い」に視聴覚障害への配慮が薄いことを問うています。それぞれ相応しい配慮があるはずです。改善努力を改めて求めます。最後に、民間事業者の事業に対しても積極的関与を求めます。
先の一般質問では、2020年以降のコロナ禍で京王電鉄が、沿線の交通弱者に配慮せず、駅改札の無人化と駅員削減を加速させてトラブルを起こしている事実を問いました。区のUD審議会にも委員を出す同電鉄が、国交省のガイドラインや区のUD条例に基づく施設整備基準を守らない点は重大です。区民の安全を守る見地から粘り強い関与を改めて求め、私の意見とします。