◆上川あや

続きまして、事件、事故、災害時の安否確認についてです。

パートナーの安否が分からない状態になったとき、私は家族として消息を教えてもらえるのだろうか、これは多くの同性カップルに共通する不安です。同性パートナーは、同居はできますが、現行法の下では結婚はできません。この状態を昨年三月の札幌地裁の判決は、差別的扱いであるとして、国の事務について憲法十四条違反、立法権ということもあるのですが、認めましたが、なお裁判は続行中で、国レベルでの平等取扱いの原理原則というものはないままです。
こうした中、区は性的指向での差別を禁じる区条例を持ち、事実上の婚姻関係、いわゆる内縁関係に異性も同性もないという公式見解を持っておりますが、もしものとき、世田谷区においては、同性パートナーも異性のパートナーと同様、最も身近な家族として安否確認に応じていただけるでしょうか。

◎長谷川 災害対策課長

災害対策における各取組におきましては、同居する同性パートナー、これは異性パートナーと同様に、同居親族として扱うことを基本として考えております。

安否確認につきましても、同居して暮らす同性パートナーにあっては、互いを最も身近なパートナー、家族とする心情、またその生活実態においても、男女の事実婚と相違はなく、また災害時や互いの安否を知りたい、自分何かあれば相手に知らせてほしいと願うこと、これはパートナーの性別による差異はないものと考えております。
同性間では婚姻できない状況下で、区のパートナーシップ宣言の宣誓者にあっては、区長に対し明確に、互いを人生のパートナーとして暮らすことの宣誓をしておりまして、その意思は明確でございます。パートナーの性別を理由に、安否情報の扱いを変えること、この合理性はないものと考えます。
災害対策基本法施行令では、安否確認に当たり個人情報を不必要に漏えい、悪用することを防ぐための各種規定が設けられており、区は規定にのっとった適切な運用を図りつつ、性的指向を理由に不当な差別的取扱いを行わない世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨に従い、御本人方が望む人道的な対処、支援をお話しの事務においても心がけてまいります。

◆上川あや

期待したとおりのお答えで、大変ありがたいのですが、実際に災害が起きたとき、混乱のさなかで、時々の担当者で、その対応が変わってしまうようでは困ると思っています。この点、ぶれのないようにできる担保の策はないでしょうか。

◎長谷川 災害対策課長

事前に災害時における業務計画、これは各種の計画を定めておりますが、こうした営業マニュアルの中に今後盛り込んでまいります。
また、発災後の事態の推移に合わせまして、ポイントごとに事務事業の執行上の注意点、全庁で統一した周知や確認を行う必要がございます。こうした際に改めて、同性パートナーをはじめ要配慮者への配慮ですとか、その他人権に配慮した取扱いについて再確認を行うといったことで混乱時でも判断に揺らぎが生じないよう努めてまいります。