昨年末の4定、先月の1定と、私が一般質問の候補に据え、所管部とも話し合いながら、他の質問項目が多すぎて質問を見送ってきたテーマ、シルバー人材センターによる労働ダンピングについて問います。

区の施設で働くにも関わらず、その時間当たり単価が最低賃金を下回る労働者がいます。区の外郭団体、シルバー人材センターのもと「請負」形態で働く高齢者です。
先だって区のシルバー人材センターから、事業種別の配分金一覧をいただきました。そこには、配分金額が次のように書かれています。

●公共駐輪場管理、 1時間 1000円
●区公園施設管理業務、 1時間 1020円

「請負」ならば、請負人が仕事を完成させるごと、その結果、成果物に対して報酬を支払うので、時間単価など書かないはずですが、何故か、時間単価です。
この「請負」形態で働く方々への配分金額について厚労省の「シルバー人材センターの適正就業ガイドライン」は、次のように書いています。
「会員が請負、委任の業務に従事する場合、最低賃金法は適用されませんが、配分金の総額を標準的な作業時間で除した額は、原則として最低賃金を下回らない水準を勘案したものとする必要があります。」
重要部分を繰り返します。「最低賃金を下回らない水準を勘案したものとする必要があります」

ところが区立の駐輪場、54カ所で働く高齢者の時間単価は、1000円です。
同じく区立公園の施設管理業務に就く高齢者の時間単価も1020円です
ちなみに都の最低賃金が時間1000円を超えたのは2019年10月で、現在の単価は、1041円です。つまりシルバー人材センターの時間単価は、国ガイドラインに複数年、反してきたことは明らかです。

この点を指摘すると、区は早速、昨年末、2つの文書を発出しています。
私がこの問題の議会質問を見送っている間にです。
1つは世田谷区シルバー人材センターに対して、もう1つは庁内の各所属長に対してです。
まず伺いますが、これらは私から議会で指摘される前に火消しを図ったものですか?

不当な単価を改めること自体はよいことです。
しかし議員に言われるまで、何年も気づかなかった管理責任は、発注元である区にも、シルバー人材センターにもあるのではないですか?
区とシルバー人材センターの管理責任を問うています。
はぐらかさずに、お答えください。

次に先に挙げた2つの事業、区立の駐輪場と、区立公園の管理で、現に最低賃金以下で働く方々は何人いらっしゃるのですか? その実人数を伺います。

国ガイドラインはシルバー人材センターで提供する業務で「請負・委任」とできるのは「臨時的かつ短期的、または軽易な業務」であるとして2つの判断基準を示しています。

●1つめに「おおむね月10日程度以内」で完結する業務であること。
●2つ目に「おおむね週20時間を超えない」軽易な作業であることです。

そこでは、わざわざ「認められない例」として「恒常的に上限(10日)を超えて就業する場合」と明記されていますが、区はまさに恒常的な駐輪場管理をシルバー人材センターでの「請負」に任せています。そこでの継続的、反復的な労働が「臨時的」「短期的」と言えるのか甚だ疑問です。

では、今あげた国ガイドラインの2つの基準を超えて区の施設で働く方はいないと断言できるのでしょうか?

今回の件は、区の公契約条例の趣旨に照らしても問題があると思っています。
先に述べた区が発出した2つの文書により、区がシルバー人材センターに発注するどの事業も都の最低賃金を踏まえ来年度以降、値上げすることで調整中だとは伺っています。しかし最低賃金さえ上回れば良い、とするのもおかしくないですか?

区は公契約条例で労働者に適正な賃金が支払われるよう、今年度は1130円の労働報酬下限額を定めています。
区との契約先で働く労働者に対しても、区は、このようなポスターまで、既に作成・配付し掲示させています。その一部を読み上げます。

「予定価格2000万円以上の公契約に従事する労働者の最低賃金は、1時間あたり、1130円になります。」
「ご自身の賃金が労働報酬下限額を下回っていないかご確認下さい」

ところが区営駐輪場、区立公園で働く高齢者への労働対価は、たったの1000円です。
区のシルバー人材センターによる区営駐輪場管理は「利用料金制度」であるために、その契約金額は当然、2000万円未満となり、労働報酬下限額を守らせる区の協定対象・指定管理者にさえならない。ここに2つ目の抜け穴、カラクリがあります。
しかし、区の施設、区の外郭団体で働く労働者です。
その時間単価は、当然、区の公契約条例の理念に沿ったものであるべきではないのですか? いかがですか?