◆上川あや

次に、区にゆかりのある動植物、固有種の保護について、その1として成城みつ池のホタルを取り上げます。

区は昨年3月、生物多様性地域戦略としての生きものつながる世田谷プランを策定し、そこでは生物多様性には三つのレベルがあるとして、生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性を紹介しています。今回取り上げるのはその三番目、動植物、固有種の遺伝的資源の保護、活用についてです。
神明の森みつ池特別保護区は、二十三区でも二か所しかないゲンジボタルの自生地として知られます。また、二十三区で唯一の在来関東型DNAのホタルの自生地であるとも言われています。
しかし、同保護区の面積は、正方形に直せば、たった七十八メートル四方しかありません。二つある池の一方のホタルには、既に関西型の遺伝子が交じり、残る一方のより小さな池のほうにのみ、在来DNAのホタルが生息すると見られています。

かねてより私からは、孤立した小集団内での近親交配の連続が絶滅リスクを高めてしまう点、また、その繁殖期には、ホタル同士の出会いを邪魔しない光のコントロールが大切と考えられる点をお伝えし、その保護に細心の注意を求めてきましたが、残念ながら毎年行われている発生数の調査でも、その数は減少傾向にあります。
それでも、これまではホタルの権威とも言える専門家にスーパーバイズをいただき、地域の熱意ある方々の手で守られていることに心強さがありましたが、その専門家の方も昨年一月に亡くなり、以後は専門家の支援もないままです。

そこで今回の質問では、ぜひその後を継ぐ専門家の方を探し、希少な固有種の保護に取り組んでいただくよう求めます。区の見解を問います。

その2は、区の花、サギソウの幻の固有種についてです。
区の花であるサギソウ自体、既に自然界では絶滅危惧種となっていますが、今回取り上げるのは、大正時代、三軒茶屋で採取された世田谷の在来種、武蔵野と言われる爽やかな芳香を伴う固有種の存続が確認できなくなっていることについてです。
動画投稿サイト・ユーチューブに、かつて区が提供していたテレビ番組「風は世田谷」のバックナンバーがアップされているのは皆さんも御存じのことと思います。その今から三十五年前、一九八六年放送の「花はさぎ草」という番組で、この世田谷の固有種が紹介されているのですが、昨年来、その種が絶えていないか区の関係者に尋ねても、十年前まで育てていた方が見つかったというだけで、確認が取れません。
区立公園の鷺草園、またフラワーランドに植えられているサギソウも、今では全てが銀河や青葉といった園芸種なのだそうです。
しかし、ここに来て、世田谷トラストまちづくりより都立園芸高校の教員OBの方がお持ちかもしれないという話がもたらされました。
その方は既に同校を辞められていますが、確かにサギソウに関し多くの論文をお書きです。まだ連絡は取られていないそうですが、区にはぜひその種の存続をお確かめいただき、地域在来種の保護、活用に共に取り組んでいただきたいと考えます。
代官屋敷で毎年開かれるサギ草市などで公開し、生物多様性は地域ごとに異なること等の環境学習の一助にもなればと考えますが、いかがでしょうか。

また、農業生物資源の在来種を広く受け入れ、保護している農水省外郭団体であるジーンバンクにその種を預け、絶滅を回避する安全策を取るよう求めます。あわせて、区の見解を問います。

◎釘宮 みどり33推進担当部長

私からは、固有種の保護について、ホタルとサギソウについてお答えします。

まず、ホタルについてです。神明の森みつ池特別保護区は、区内でも特に豊かな自然が残されており、貴重な自然環境の保全に力を入れております。ホタルの保全につきましては、神明の森みつ池の管理保全と併せて、これまで専門家の御意見を伺いながら、区や世田谷トラストまちづくりが、区民の団体である成城みつ池を育てる会と連携して進めてまいりました。
具体的には、光害対策として、遮光シートの設置や街路灯へのルーバーの設置、また、ホタルの餌となるカワニナの繁殖のため、ホタル生息地上部の樹木の剪定などを行ってきております。
議員お話しのとおり、これまで御意見を伺ってまいりました専門家の方は、去年、残念ながらお亡くなりになっております。区といたしましては、ホタルの生息環境の改善に向けた試行錯誤を重ねるなど、今後も息の長い取組が必要と認識しており、御協力をいただける専門家を探すとともに、育てる会と連携し、より効果的な保全の取組に努めてまいります。

続いて、サギソウについてです。区ではこれまで区民にサギソウを身近に感じてもらうため、九品仏浄真寺の境内にある区立鷺草園での展示や、瀬田のフラワーランドでの栽培、サギソウの栽培に関する講習会の支援、代官屋敷で開催される「せたがやホタル祭りとサギ草市」の後援などを行ってきております。
議員お話しの武蔵野という品種は、かつて三軒茶屋に自生していたと言われる品種であり、これを守り伝えていくことは、世田谷の在りし日を次代に伝えていくために大切なことであると考えております。
一方で、園芸種でない在来種を継続的に栽培していくためには、専門的な知識や技術が必要になると考えられています。区といたしましては、引き続きこれまでの取組を続けるとともに、御指摘の武蔵野に関して、専門家や実際に栽培している愛好家などから情報を収集し、所在や流通、栽培の状況などについても確認し、今後の保全策や活用について検討してまいります。

続いて、ジーンバンクについてです。ジーンバンクは農林水産省が所管する国立研究開発法人である農業・食品産業技術総合研究機構が行っている事業であり、農業分野に関わる遺伝資源について、主として食料や農業上の利用に貢献するため、探索収集から特性評価、保存、配布など、情報公開までを行っております。
また、環境省新宿御苑管理事務所では、生息域内での存続が困難な状況の種について、生息域外における種子保存を行っております。
それぞれの機関において受入れの要件がございますため、今後詳細を確認し、可能であれば専門機関の活用についても検討してまいります。以上です。

◆上川あや

御答弁ありがとうございます。それぞれ専門家の方に入っていただけるというお約束ですので、一旦安心をいたしております。

みつ池のほうですけれども、これまで全国ホタル研究会の名誉会長の方にアドバイスをいただいてきたと。その方が、みつ池の貴重な希少種のホタルの存続をかなり懸念されて、リスク分散を図るべきだというような御案内があったそうで、実際、等々力渓谷に一回トライアルで、そこに生育できるようにできないかということをやったそうですが、このリスク分散が中断しておりますが、新たな専門家の方に入っていただいて、ぜひリスクの回避、種の存続、子どもたちに、これからの次世代、見ていただけるように取り組んでいただければと思います。