第3の課題は、区の養育里親認定基準の不適切な運用についてです。
先日、私のもとに区のパートナーシップ宣誓を利用しているカップルより落胆のメッセージが届きました。

区の里親認定をサポートしている団体に自分たちの事情も打ち明け、制度の利用を問い合わせたところ、同性カップルも収入等条件を満たせばOKと説明された一方で、「両方の親族の同意がなければ、里親認定できません、残念ですが」とハッキリ告げられ、大変驚き、落胆したと言います。

これでは、親族とのつながりのない、あるいは良好な関係にない児童養護施設出身者や養育世帯出身者は、本人の意欲や適性に関わらず、真っ先に排除されるほかなくなります。
加えて、同じく本人の意欲や資質以前に、自分が自分であるというだけで、親族の理解を得られない性的マイノリティの多くも断念を余儀なくされてしまいます。
明らかに差別的であり不適切なルールです。

性の多様性を巡ってはここ数年、急速に理解が進んだ一方で、まだまだ身近な家族が当事者だった場合に拒否感が強いことが調査からも明らかになっています。
国立社会保障・人口問題研究所の研究者を中心としたグループが2015年、厚生労働省科学研究費事業の一環で調査した結果からは、職場の同僚が同性愛者だった場合に「嫌だ」または「どちらかと言えば嫌だ」と答えた回答は合わせて41.8%と半数に届かなかったのに対し、自分の兄弟が同性愛者であった場合の「嫌だ」と「どちらかと言えば嫌だ」の合計は66.9%。自分の子どもが同性愛者だった場合のそれは72%に跳ね上がりました。
身近な家族の無理解に苦しむ性的マイノリティの当事者は、その無理解ゆえに親族の同意を取ることは当然に難しく、区の里親制度からも排除されかねない構図です。

ところが区に問うと、そもそも区の里親認定基準の一覧にそのような要件はありません。聞けば、明文化されていないながらも存在し続けてきた判断基準の1つであるとの説明です。

区の行政手続条例 第5条第1項及び2項は審査機関に対し、申請に対して「許認可等するかどうか」の判断基準をあらかじめ定め、その基準は「できる限り具体的」でなければならないとしています。続く第3項では「特別の支障があるときを除き」その審査基準は「公(おおやけ)にしておかなければならない」とも定めています。

つまり許認可基準は予めその詳細まで明文化されていなければならず、かつ、オープンでなければなりません。
ところが前出の口頭ルールは全く明文化されていない裏ルールともいうべきもので、同条例に反します。加えてその内容も不適切です。
親族の同意は望ましい基準とはなりえても必須要件とするべきでなく、その確認をルール化するにしても、判断には柔軟性をもたせた上での明文化が必要です。
以上、事務の改善を求めますがいかがが、区の見解を問います。