◆上川あや

最後に、区教委の児童生徒に対するハラスメント防止対策についてです。

私の一昨年九月の決算質疑、同じく本年三月の予算質疑を通して、区長部局の職場におけるハラスメント防止に関する基本方針が大幅改定され、新たに三つのハラスメント類型が追記をされました。

一つ目に、巧妙かつ陰湿に繰り返される言葉や態度で相手を傷つけるモラルハラスメント、二つ目に、LGBTに対するハラスメントであるソジハラスメント、三つ目に、民族・国籍差別等を抑止するレイシャルハラスメントです。
これに続き、先月の決算質疑では、区教委の教職員間のハラスメント防止の要綱にも同様の記述が必要でないかと改善を求め、教育政策部長より、区長部局に準じる形で要綱の改正を行う旨の御答弁をいただきました。しかし、同種の取組は、児童生徒に対するハラスメント防止の要綱にも取り入れられるべきものだと考えます。

現在、区教委の同要綱で抑止の対象とされているのはセクシュアルハラスメントの一つだけ。区立学校には、多様な民族、国籍の子どもたちが現に通う中、人種差別等を抑止するレイシャルハラスメントも規定をするべきですし、性的マイノリティーへの差別を抑止するソジハラスメントについても追記が必要だと考えますが、いかがか。区教委の見解を問います。

◎池田 教育政策部長

教育委員会では、学校における教員間の様々なハラスメントを防止するため、区長部局に準ずる形で、国籍などに起因するレイシャルハラスメントなどについてもハラスメントの対象とする要綱改正の手続を進めているところです。
また、現在、教職員による児童生徒を対象としたハラスメントを防止するための要綱につきましても、必要な要綱改正を行うための検討を進めております。
現在の世田谷区立学校等における児童生徒等に関するセクシュアルハラスメントの防止に関する要綱は、その名称のとおり、セクシュアルハラスメントのみをハラスメントの範囲としておりますが、国籍などに起因するレイシャルハラスメント、性的指向、性自認に係るソジハラスメントなどについても対象範囲に含める必要があると考えております。
子どもたちの人権が損なわれることはあってはならないことであり、早急に要綱改正を行うとともに、教員への啓発や研修の充実に向けて取り組んでまいります。以上でございます。