◆上川あや

令和元年度の一般会計決算認定外全てに賛成する立場から意見を申し上げます。
一連の決算質疑で私からは、LGBT等、性的マイノリティーと権利の平等、その支援の在り方に多くの時間を割きました。
当区で、性の多様性を尊重し、LGBT差別を認めない区条例の成立から二年半がたつ今も、多くの家族向け行政サービスで、同性カップルには異性のカップルと同じアクセス権もなく、トランスジェンダーの抱える困難にも、所管ごと、その理解には大きなむらがあり、明らかな困難すら放置されるケースがあると実感しています。

さきの一般質問では、国の社会保障各法、また、区条例等でも、多くその記載が見られる事実婚に係る規定で、本区では、同性パートナーも事実婚に準じ、扱い得るのではないか、既にその社会通念もあるのではないかと問い、区においては、同性パートナーも事実上の婚姻関係に準ずるとする社会通念が形成されているとの画期的な御答弁がありました。しかし、本区単体で男女の事実婚とひとしく扱い得る事務であっても、何をもって同性パートナーと認めるかの事務処理規定は未整備です。その速やかな整備を改めて求めます。

加齢に伴い、長い距離を歩けなくなるロコモの問題についても、この秋の決算質疑で六回目となりました。所管横断的に座れる場所づくりを進めるアイデア集の発行に続き、今回、ようやく具体的な整備へと進む指針づくりが明らかとなりました。確実な整備につなげるよう、改めて求めます。

文教領域の質疑では、区立桜丘幼稚園で行われた雇用形態の偽装が現在裁判に発展している事例を取り上げました。本件は、区議会でも裁判の提起がごく簡単に報告されたのみでありましたが、蓋を開ければ、区立幼稚園九園全園で、つい先頃、平成二十九年五月まで行われ続けていた不正だと明らかになり、長年にわたる放置にも驚くほかありませんでした。
不正を許さない組織風土、制度の構築をいかに図っていくのかは、区長部局も例外とは言えない共通課題だろうと私は捉えております。この点を含め、人権が尊重され、過ちを看過せず、多様性をめでる組織、社会の実現に向けて、なお一層の庁内の意識改革、制度改革を改めて求め、レインボー世田谷の意見といたします。