次に、LGBTなど、性的マイノリティ当事者の職員も等しく扱われ、自分らしく働くことのできる環境整備を求め、2点伺います。

はじめに同性をパートナーとする職員の処遇の平等についての続編です。
区の「職員の退職手当に関する条例」 第3条は、「死亡による退職の場合には、その遺族に支給する」と定めます。つづく第4条は、遺族の範囲と順位を定め、その第1順位を配偶者とし「届出をしないが職員の死亡当時、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。」と定義しています。
この「届出をしないが…事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に同性パートナーを含むか否かは、公金の使途でもあることから、社会通念の有無にも左右される部分です。

しかし本区では3年以上前、区が実施した「性的マイノリティ支援に関する区民意識調査」でも、同性カップルにも区営住宅への入居を等しく認めること、医療や福祉で法律上の婚姻関係と同等の扱いを受けられるようにすることの2点について賛成が過半数を占めました。
また、同調査結果も踏まえ、区議会では同性カップルにも区営住宅の入居申込み資格を平等に与える区営住宅3条例が全会派一致で成立しています。
加えて本区は5年前より全国に先駆け、同性パートナーシップ宣誓制度をスタートさせ、利用者は先月末までに240名に上ります。同様の制度は現在、大阪府、茨城県を含む59の自治体に広がり、そのカバー人口は、すでに3700万人を超えました。

さらに、この公的承認の流れは司法判断にも好影響を与えています。
同性カップルの不貞をめぐる訴訟で一審、二審と相次いで、男女の内縁関係に準じた法的保護を同性パートナーにも認める判決が出ています。

加えて、本区議会はおととし春、性的指向、性自認を理由とした差別を禁じる多様性尊重条例を成立させました。ここでいう差別の禁止には同性カップルへの差別も含まれるというのが条例提案時の区の説明です。
このため区は、区内医師会にも不動産関係団体にも、また通信事業者や世田谷病院長会に対しても同性カップルを配偶者に準じて扱うよう理解を求めてきた経緯があります。

そのうえで同性をパートナーとする区職員の休暇制度を平等にするよう求めた昨年4月の私の苦情申立に対し、区長の諮問機関、「男女共同参画・多文化共生 苦情処理委員会」の答申は、「いずれにせよ…、同性をパートナーとする職員にも異性の配偶者、パートナーを有する職員と同等な休暇を取得できるよう改善するべきである」と結論したうえで職員の休暇に関する条例及び同施行規則で規定する配偶者について次のように述べています。

「「配偶者」の定義を「届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者」としているが「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」には同性パートナーも包含されるものと解することができるから、同性のパートナーを有する職員にも配偶者を有する職員と同様の休暇制度が認められてよいのではないか。」

―—引用はここまでです。

以上、述べてきたような区民理解、区条例に基づく差別の禁止、法律家も含めた区の諮問機関による同性パートナーも事実婚に含まれうるとした答申、加えて昨年、国立社会保障・人口問題研究所が、結果を公表した「全国家庭動向調査」で「同性婚を法律で認めるべきだ」との回答が69.5%に達した世論等をふまえれば、区条例でいう「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」には同性パートナーも含まれるとするのが相当で、それを認める社会通念も、すでにあると見るべきではないですか。区の見解を問います。

その上で職員死亡時の退職金の受給権も当然、同性パートナーに認められるようにするよう求めます。区の見解を伺います。

最後に出生時、割り当てられた性別とは異なる性自認を生きるトランスジェンダーの区職員の処遇について伺います。 この件をめぐっては2016年6月の定例会において、当時の岡田総務部長、現在の岡田副区長より次のような答弁を得ています。

「御指摘のトランスジェンダーに関しましては、手術による性別変更をした方は二割にすぎないとの話がございましたが、こうした現状も踏まえ、区においてもトランスジェンダーの当事者職員に関し、自認する性別に配慮した柔軟な組織対応を行っていく必要があると考えます」。
このように述べ、相談体制についても「より安心して利用できるよう、案内の工夫などを図ってまいりたい」とお答えになりました。

しかし、戸籍の性別に依らず、性自認に配慮し柔軟な組織対応を図るとの区の方針は、会議録を検索しなければ分からないままとなっています。
この間、豊島区や船橋市では、全庁的な性自認・性的指向に関する対応指針を定め、職員についてもトイレや更衣室の利用、髪形や服装について「本人の心情に配慮する」、あるいは「できるだけ本人の希望に寄り添う」等と明文化したのに比べ劣りします。

また、当時の再質問で、通称名の使用に弾力運用を求めたのに対しても「検討したい」との表明がありましたが、現状は旧姓使用を認めるルールがあるだけで、名の変更は想定外となっています。より安心して相談できる指針等の提示、関連規定の整備を求めます。
区の見解を伺います。