◆上川あや

私からは、公文書の管理について伺います。

月曜日に区の公文書管理条例が可決をされ、その施行を待つばかりとなりました。区は、同条例で公文書を区民共有の知的資源であるとし、その適正管理を図ることで、現在及び将来にわたり区民に区の諸活動について説明する責任を全うするとうたいましたが、これまでの議論はソフト面での対策強化に終始をしていて、ハード面での点検、強化がおろそかだったのではないかというのが私の認識です。

そこで、今回私のほうで区立の公文書庫について調べました。保存期間一年を超える区の公文書の大半が送られる施設が船橋の公文書庫なんですが、その耐震性、耐水性、耐火性のそれぞれについて調べたのですが、区の現状の管理には問題があると認識をしております。同文書庫は浸水想定区域外にありますので、水害のおそれはまずありません。建物は平成十七年竣工の新耐震基準の六階建てで、耐震性能にも問題はないと思われます。周囲はもともと防火地域であり、延焼のおそれが少ない立地である上に、建物は各階ごとに防火区画を設けてつくられているそうです。ここまではいいんです。
問題は、一旦内部で火が出たときの対処方法です。同文書庫にスプリンクラーの整備はありません。首里城の火災で千百点余りに及ぶ収蔵物、文化財を見事に守った防火金庫、防火収蔵庫もありません。火災報知器と感知器はあるそうですが、一旦火が出た後の消火は消化器と消火栓があるだけと非常に手薄なままであり、しかも夜間は無人となっております。同文書庫には、公文書のほかにもマイクロフィルムや美術品など、それこそ大変貴重だけれども燃えやすい文物が大量に入っているものと承知をしておりますが、まず、その内容と点数はどうなるでしょうか、この点から御説明ください。

◎田中 総務部長

現在の船橋公文書庫の保管状況でございますが、まず、公文書につきましては、A4用紙で約三千枚入れられる文書保存箱で保管しており、その保存箱が約二万四千七百箱ございます。マイクロフィルムにつきましてはロール状のものとなっており、大きさが縦横十センチ、幅二・五センチのケースに入れた状態で、約二千八百五十巻保管しております。また、美術品といたしまして、絵画が約千三百点、彫刻品が約二百八十点、工芸品が約百点ございまして、さらに文学資料が約千七百点ございます。美術品と文学資料を合わせ約三千四百点を保管しております。

◆上川あや

大変燃えやすく、しかも貴重な収蔵物が多いということははっきりしていると思います。同文書庫には、朝八時半から午後五時まで受託の事業者がいるそうですが、夜間は人がおらず、機械警備となります。夜間、感知器が作動し火災報知機が鳴ったとして、どこから、誰が駆けつけ消しとめるのでしょうか。既に煙に巻かれた状態で防火区画に人が入り、火を消しとめるなど、非現実的な想定だと考えますけれども、現状ではどのような対処をするのか伺います。

◎田中 総務部長

船橋公文書庫は、施設の開館時間は原則八時半から十七時までで、それ以降の夜間帯につきましては、施設の管理受託事業者が不在となるため、火災や盗難を防止するための警報機器を設置し、原則二十四時間三百六十五日、機械警備を行うよう警備会社と業務委託を結んでおります。
夜間に火災警報が発報した場合には、その信号を受信した警備会社の警備員が直ちに現場へ駆けつけ、火災の有無の確認を行い、火災発生と判断した場合には直ちに消防機関へ通報するとともに、区への連絡を行います。また、駆けつけた警備員は出火の場所、程度にはよりますが、初期消火等の必要な対応を可能な限り行うものとなっております。

◆上川あや

まさに非現実的な対応、極めて頼りない消火体制と受けとめざるを得ないと思います。紙資料も多いところですから、特に公文書や美術品の区画にスプリンクラーの設置がないということはまだわかります。しかし、これにかわる所蔵する文物を損なわない消火設備、ガス消火設備の整備も一切ないというのは、明らかに手抜かりではないでしょうか。

ここで言うガス消火設備には大きく分けて二つあります。一つは、酸素の濃度を下げ消火する不活性ガス消火剤というもので、もう一つは、化学的作用によって燃焼を妨げるハロゲン消火剤の二種類ということなんですが、いずれも長期保存が可能で、ガスそのものの圧力で自動噴射できるため、タイムラグが少なく消火活動ができ、人もポンプも不要というメリットがあります。現状の備えである消火器や消火栓の使用では、たとえ消火できたとしても、その文物に汚損あるいは浸水によって損なってしまうという危険があるのではないかと考えております。

同様の理由から、先ほど申し上げたガス消火設備は既に区立の郷土資料館、世田谷美術館、世田谷文学館、向井潤吉アトリエ館などにも導入がされていると確認をしております。今回の質疑に先立ちまして、区外の公文書館の状況についても調べてみました。公文書館、消火設備の二つのキーワードでネット検索するだけでも、非常に多くの情報がひっかかりました。
例えば、国立公文書館の主たる消火設備はやはりガス消火設備でしたし、宮城県、群馬県、広島県、沖縄県の各県立の公文書館も同様にガスの消火設備でした。市町村でも同様で、札幌市公文書館、福岡県内自治体が共同で設立をした共同文書館、また、当区よりもずっと小さな規模の自治体である、例えば神奈川県寒川町の公文書館、沖縄県北谷町の公文書館でも、主たる消火設備に導入されているのはやはりガスの消火設備でした。旧玉川高校跡地にこの春まで展開をしております仮設の東京都公文書館でも、都はあらかじめ二千五百万円の改修費用をかけて、ガスの消火設備を導入して管理をしているんですね。明らかに世田谷区のこの管理の状況というものは手薄だと思います。
区の船橋公文書庫にも速やかにガスの消火設備を導入することを求めますけれども、区の見解はいかがでしょうか。

◎田中 総務部長

平成十七年二月に開設した船橋公文書庫は、公文書や美術品等を保管することを目的としていることから、地上六階建て鉄筋コンクリートづくりの耐火建築物となっております。また、各階もそれぞれ防火区画となっており、火災に対する防火設備を有しております。しかしながら、万が一建物内で火災が発生した場合には、現状として消火器や消火栓で対応することとなります。
お話しのガス消火設備の設置につきましては、公文書や美術品等を保管する多くの施設で用いられている消火設備であることなどから、今後改めて関係所管と出火時の対応方法なども含め検討してまいります。

◆上川あや

ハードとソフトがきちんと相まって立派な公文書管理になると思いますので、しっかりと速やかな改善をお願いいたします。