はじめに、浸水想定区域の仮庁舎に都市整備部門等の職員等を、ほぼそのまま移すリスクについて伺います。

本庁舎の改築計画に伴い、2期工事終了までの4年8カ月、住宅課を除く都市整備領域の5つの部、環境整備部、施設営繕担当部を丸ごと、浸水想定区域内の旧玉川高校跡地に移転する計画ですが大丈夫でしょうか?同地に移る職員数は500名弱、玉川総合支所の全職員300名を優に上回る大所帯です。

区長は先月末の記者会見で、台風19号で起きた多摩川沿岸での水害について「堤防が破堤する危険さえあった」との厳しい認識を示し、「こういった災害は繰り返し起きそうだ」として、排水ポンプ車2台の配備を含む水害対策の強化を打ち出しました。

同ハザードマップでは、仮設庁舎予定地はスッポリ、多摩川沿岸の浸水想定区域に含まれています。そこで想定される浸水の深さ、「浸水深」を都が公開している防災アプリでみると、同校跡地の東京都公文書館をタップして6.8メートル、正面道路の上野毛通りで8.4メートル、西に接する玉川総合支所の二子玉川庁舎で13.3メートルとなっています。
区が借り受ける旧校舎は渡り廊下で4つの建物が各階、同じ高さで繋がる3階建て。これに想定される「浸水深」を合わせると、どうなるでしょう?
旧校舎のスペックが非公表ですので、ここでは仮に苫小牧市の公表する津波防災の資料から、同市内の公立高校9校の平均値を用いて類推します。

地盤面から校舎2階の床面までの高さは9校平均で4.46メートル。同じく3階の床面は8.32メートルです。 旧玉川高校の地盤面は前面の上野毛通りから約50センチ高いので校舎の正面の上野毛通りの浸水深8.4メートルから、この平均値を引くと7.9メートルの水没です。つまり1階部分は完全に水没。2階部分もほぼ水没で、3階の床面近くまで水が来ることとなります。
より浸水深の浅い東京都公文書館の水深6.8メートルを採用しても、1階部分は完全に水没。2階も床面から2.3メートルまで水没です。つまり2階の物品はほぼ水没。人が滞在することもほぼ不可能となるでしょう。

では、どういう対処をするのか区の担当者に伺うと、浸水想定区域に仮設庁舎が入ることはあっさりお認めで、最初に浸水リスクに晒される1階部分には会議室等を多く配置し、止水板などを備えたい、との返答ですが、とても大丈夫とは思えません。そこで以下、伺います。

まず、区が借り受ける旧玉川高校の校舎・各階の地盤面からの高さについて報告を求めます。また、これを京浜河川事務所の浸水想定と照らすと浸水深はいかほどか、何階部分まで水に浸かるのか、区の想定を伺います。
その上で、区が備える止水板の高さは何メートルであるのか。出水に備えた改修は事前計画に織り込まれているか、特に出水時の非常用電源はどこに置かれるか。また、それらの改修は、来年度の予算案に織り込み済みであるのか説明を求めます。

次に、区の地域防災計画【風水害編】から水防組織図を見ると水防本部長を務めるのは副区長です。以下、水防担当の「副本部長」を土木部長が、その下の「土木対策総括班長」を、みどりとみず担当部長と道路・交通政策部長が務め、さらにその下にくる「水防担当組織」にはズラリと都市整備領域の各部、各課が並びます。
つまり、5つの土木公園管理事務所を除く、区の水防組織は全て浸水想定域内に置くという計画です。

整備担当に伺うと、多摩川の出水時は玉川総合支所に重要機能の一部を移すといいますが、そのようなキャパシティが同支所にあるでしょうか? あるとすれば、どの機能をどこに置き、何を仮庁舎に残すのか。 また一部のみを移して水防体制に問題が出ないか、課題があるとすれば何か、その課題への対策は考えられているのか伺います。

また、区が災害時に利用できるボートについて災害対策課に伺うと現在、備えはないそうです。来年度予算での購入を予定しているといいますが、配備先はどこになるのでしょう? また、1階が水没した時点で仮にボートがあっても仮庁舎は機能しないと考えますが如何か、併せて見解を問います。

浸水想定の最大値まで水が出た場合、少なくとも仮設庁舎の1、2階はほぼ水没することになりますが、それらに備えた資料、物品等の配置計画、避難計画も作るべきではないですか? それらの用意はあるのかを問います。

加えて、そのような場合、仮庁舎の水没による都市整備部門をはじめ、各部各課の業務への中長期的影響は避けられないのではないですか、当区に風水害時の業務継続計画は未だ未整備な状況ですが、どう考察するのか伺います。