◆上川あや

区が今月策定を予定しているハラスメント防止の基本方針について伺います。

今月三日の企画総務常任委員会に同方針の案が示されました。私も委員外議員としてその内容を拝見しましたが、重要な部分が抜け落ちていると感じました。

私からは、一昨年九月の決算質疑で区のハラスメント対策の強化を求めています。当時、区のハラスメント防止の基本方針の対象はセクハラとパワハラの二つだけ、区の懲戒処分の指針でも明記をされていたのはその二つだけでした。当時既に育児・介護休業法等の改正で、妊娠、出産、育児休暇等への嫌がらせ、いわゆるマタハラ防止に必要な措置を講じることは事業者としての責務でしたので、私からはまずその改善を求めると、区はこれに応じるとしました。
しかし、同日、あわせて私から防止措置を求めた残る三つのハラスメントの類型、一つ目にモラルハラスメント、二つ目に、LGBTへのハラスメントであるソジハラスメント、三つ目に、民族、国籍、人種へのハラスメントであるレイシャルハラスメントのうち、今回きちんと明記をされたのはモラルハラスメントの一つだけ。残る二つについては内容が貧弱、もしくは全くの不記載で、改定を求めたいと思っています。

まず、LGBTへのハラスメントについては、別表の具体例が貧弱です。区は、本人の承諾を得ない性的指向や性自認の暴露、いわゆるアウティングとカミングアウトの強要だけを例示しましたが、この二つは昨年成立したパワハラ防止法の指針にも明記をされているもので、いわばデフォルト、最低限の記述でしかないと考えております。
国家公務員のハラスメント防止規定、人事院規則十の十では、ハラスメントになり得る言動に、性自認や性的指向をからかいやいじめの対象とすること等と記述がありますし、前回の質疑で御紹介をした東大和市の指針でも、あいつホモだろうなどとうわさをしたり、異性愛を前提に何で結婚しないのなどと問うこと等もソジハラスメントになると詳述をされております。本区でも別表記載の充実を求めますけれども、いかがでしょうか。

◎馬場 職員厚生課長

ただいま委員より御紹介いただきました職場におけるハラスメント防止に関する基本方針案でございますが、昨年五月、職場でのパワハラ防止策を事業主に義務づける改正労働施策総合推進法を含みます改正女性活躍推進法等が成立しまして、令和二年度より施行されることに伴い、これまでのセクハラとパワハラの区の二つの基本方針を見直しまして、その他のハラスメント防止も含めた基本方針としてまとめているものでございます。このうち、ソジハラスメントでございますが、性的指向や性自認に関連して、差別的な言動や嘲笑、いじめや暴力などの精神的、肉体的な嫌がらせをする行為として定義しております。
基本方針案に記載しました具体的な例といたしましては、今御紹介のあった二点でございます。委員の御指摘を踏まえまして、他の自治体の例を参考にしながら、職員のソジハラスメントに対する理解を深めるよう具体例を充実させてまいります。

◆上川あや

二つ目に、これも重要な視点なんですが、本区の男女共同参画と多文化共生の条例では禁止をされた民族、国籍差別への対応です。区は、区民、事業者に対しても、民族、国籍を理由とした差別を禁じているのですから、庁内でも民族、国籍を理由とした差別的な言動をハラスメントとして明示をし、律しなければ話が通りません。これらは一般にレイシャルハラスメントとも呼ばれますが、その対処も同方針に明記をするべきではないでしょうか、いかがでしょうか。

◎馬場 職員厚生課長

職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針案では、ハラスメントの定義といたしまして、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントのほか、モラルハラスメントや、ただいま御答弁申し上げましたソジハラスメントなどについて記載しております。職場におけるさまざまなハラスメントの防止に向けて内容を充実させてきたと認識してございます。
御指摘のレイシャルハラスメント、国籍等を理由にした嫌がらせにつきましても、他のハラスメントと同様に許されない問題であり、その防止に努めていく責務があると考えております。
多文化共生社会を目指す世田谷区にとって、あるいは区内最大規模の事業者といたしましても、レイシャルハラスメントの防止に向けて基本方針の中に明示してまいりたいと考えております。

◆上川あや

ありがとうございます。