外国籍の人に対して極めて閉鎖的、排除的な特別区の職員採用選考について伺います。
まず、全体状況を把握するために3点、お伺いします。

1点目に、特別区人事委員会のもと、実施されている23区一体の職員採用選考で「日本国籍であること」を必須とする国籍条項は「一般事務職」ほか、どれだけの職種に残されているでしょうか?

2点目に、特別区では、一見、外国人に門戸を開いている職種でも、昇任試験は受けさせず、管理職には決してなれない等の任用制限がなお残りますが、どのような状況でしょう?

3点目に、当区で採用する非常勤については国籍を問わないと理解していますが正しいですか。 以上3点、お伺いします。

今のご説明だけを聞けば、外国人を地方公務員の職から排除することにも一定の合理性があるように聞こえますが、特別区を除く他の自治体の現状と、特別区とを比較すると、特別区が飛びぬけて閉鎖的、排除的であることが判ります。

特別区が、旧態依然とした国籍条項を「一般事務職」という組織の根幹部分で保持し続けているのに対し、多摩地域の26市で一般事務職の採用に国籍条項を設けている自治体はもはや1つもありません。その後の昇進に関しても一切、差をつけない市が、このうち19市に上ります。
つまり多摩地域の大部分の市では、国籍を問わず職員採用試験が受けられて、能力に応じて採用もされ、昇進もできる。 当然、幹部職員にもなれ、特段の不都合も生じず、国から文句も出ていない。こうした実績が長年、積み重ねられています。

一般事務職採用試験の入口から、排除し続ける特別区との、なんと大きな差でしょうか?
しかも区議会事務局を介し、都内26市すべてを調査したところ、国籍条項を削除した時期も、もはや古すぎて答えられず「不明」とした回答が大部分でした。
加えて今回、全国の政令指定都市、20市も調べましたが、同じく13市で国籍条項はありませんでした。ここでも特別区の閉鎖性は際立っています。

そもそも法律上、日本国籍を必須とする公務員は警察や消防などごく一部にすぎず、地方公務員法にも排除するべき規定はありません。
終戦から8年後、国が「公(おおやけ)の意思形成や公権力の行使には日本国籍が必要なのは当然の法理」との見解を示した経緯はありますが、以来66年が過ぎ、時代は地方分権、共生社会へと大きく変化しています。多摩地域ではとっくに全廃された国籍条項が、なぜ今日に至るまで特別区に残るのか? 説明を求めます。

2001年、全国で初めて全職種から国籍条項を取り除き、配置、昇任などの任用制限まで撤廃した福井県、旧武生市(たけふし)では、98年10月から総務課長を中心に「職員採用要件見直し研究会」で検討を重ね、半年後「公権力をもつのは市町村長など責任者だけ」として助役まで外国人も就任可能と結論し、全国的な国籍条項撤廃の流れを生みました。
一方で、在日韓国人女性の管理職試験の受験を拒んだ都の対応を容認した2005年の判例もあり、一部職種について任用制限を残すべきかどうか、なお多くの自治体は揺れています。
しかし一般事務職の採用選考から外国籍を一律に排除した特別区の現状は明らかに行き過ぎで、外国人差別を助長すると考えます。

世田谷区は全国で初めて民族・国籍差別を禁止する条例を自ら提案、施行した自治体です。
区は、区民、事業者にも国籍差別を認めず、外国人であるというだけで採用を拒否することは禁止です。自ら襟を正すことなしに、どうして区民、事業者に平等が求められるのでしょうか?
23区一体の人事制度だからと、多摩の26市では全廃されて久しい国籍条項の残置を看過せず、特別区の担当者会議で積極的に課題提起していただくなどの行動を求めます。区の見解はいかがでしょうか?

人材登用における国籍条項の残置は、必要最低限であるべきです。この点、区長もぜひ、庁内検討で、23区の区長会等で、リーダーシップを発揮していただくことをお願いして、私の質疑を終わります。