はじめに、性的指向で差別をしない、災害弔慰金の支給を求めて伺います。
災害弔慰金は、自然災害で家族を亡くされたご遺族を慰め、支える制度として昭和48年に生まれました。
「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づき、区市町村を実施主体に、生計維持者が死亡した場合に500万円、それ以外の世帯員が死亡した場合に250万円を支給します。
経費は国が2分の1、都道府県と区市町村が4分の1ずつを負担し、各自治体独自の条例規定に基づき、支給対象者や金額を拡充することも可能です。

現に国が平成23年、法改正により支給対象者を兄弟姉妹に拡大する以前より、横浜市や甲府市、東日本大震災で被災した東松島市、栗原市等では独自に条例規定を拡充し、兄弟姉妹への支給を可能としておりました。国の法改正もこれら実例を踏まえ行われました。
また先の区議会で災害弔慰金の支給等に関する区条例が改正され、市中の銀行より高かった災害援護資金の金利の引き下げが実現しましたが、これも岩手県岩泉町など複数の自治体が、条例により金利を引き下げられるよう国に法改正を求め、これが実現したのを受けての改善でした。

同制度のより良い改革には、実施主体である自治体から声を上げてゆく姿勢が欠かせません。そこで提案をいたします。

本区の男女共同参画と多文化共生を推進する条例、第7条は性的指向に基づく差別を禁止しています。区は私の議会質問に、同規定は同性カップルへの差別も禁止するものであると答弁しています。

すでに区の職員互助会では平成28年4月より同性をパートナーとする区の職員にも5万円の弔慰金を支給できるよう規約を改正しています。
また、世田谷区産業振興公社の「セラサービス」でも、昨年10月の規則改正で「配偶者」の定義に同性カップルを明記し、区民会員の同性パートナーの死亡時にも2万円の弔慰金を支給できるよう改善しています。
同性カップルに対する差別禁止の条例を自ら提案、施行した立場で、職員の同性パートナーには弔慰金を支給する一方で、一般区民の同性パートナーを災害弔慰金支給から除外したままの現状は、極めて不合理で差別的であると考えます。

災害はいつ起こるとも知れず、対象者の拡大は区の独自判断で可能です。すぐにでも改善を検討するよう求めますが、いかがでしょうか?

また、政府は国連の自由権規約委員会により同性カップルに対する差別的処遇を改めるよう繰り返し勧告を受けています。その勧告でも特記された課題、公営住宅からの同性カップルの排除は、同委員会の指摘を受け、国が公営住宅法を改正し、自治体条例の改正により入居が可能となりましたが、それ以外の課題、今回取り上げる「災害弔慰金の支給等に関する法律」でも、同性カップルの排除は続いています。

同制度をより平等、健全なものとするためには区が単独で制度を改めるのみならず、国連機関から是正を求められている国、当区と同じく性的指向に基づく差別を禁止する条例をこの春、施行した都による制度改正が必要です。
ぜひ区からもその改善を進言していただくよう求めます。併せて区の見解を伺います。