男女共同参画と多文化共生を推進する条例・第11条に規定する「苦情処理制度」について伺います。

同条例の特徴は、被害者救済に役立つ、苦情処理規定があることです。
これは、基本的には国の上位法、男女共同参画社会基本法、第17条の(苦情の処理等)の規定を引き継いだものと理解をしていますが、いいですか?

同法17条は、国の施策について規定したもので、自治体を縛るものではないとされています。
しかし、同法第9条の(地方自治体の責務)では,地方自治体には国の施策に準じた施策等を行う責務があり、この「国の施策」には「苦情の処理等」も当然、含まれることから、本区の条例でも同趣旨での苦情処理規定が設けられた、とこういうわけですね。

内閣府が公開する同法の逐条解説では、第17条の趣旨についてこうあります。

「男女共同参画社会の形成を促進するためには、苦情の処理等が重要であることから、国は、政府の施策についての苦情の処理のために必要な措置及び人権が侵害された場合における被害者の救済を図るために必要な措置を講じなければならない旨、規定したものである」

ややわかりにくいですが言葉を換えれば、次の2つの措置が含まれているということです。
1つ目に、行政施策に対する苦情の処理に対し、必要な措置を講じなければならないこと。
2つめに、市民の人権が侵害された場合における被害者の救済を図るために必要な措置を講じなければならないこと。
以上の2つです。

本区の条例の苦情処理規定にも、この2つがもれなく含まれていると理解をしていますが、いいですか?

つまり、区は、区の直接の事務に対する苦情を受け付け、処理するのみでなく、区民が、区の条例にもとづき禁止された差別——性別、性自認、性的指向、民族、国籍等を理由とした不当な差別により人権を侵害されたと、ご相談されてきた場合でも、同条例に基づき、苦情処理委員会に諮問することも含め、被害者の救済に当たる用意があるということですね?
この理解でまちがいないですね?

加えて、同条例の第8条の(基本的施策)には、次の2つが列挙をされている。
第5号に、「性の多様性に起因する日常生活の支障を取り除く支援」
第10号に「国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見又は不当な差別の解消」です。
つまり不当な差別の解消と被害者救済は、本来、区の施策そのものである。その点で苦情処理委員会への諮問も、何もプレミアなサービスではないということですね?
以上、確認ができましたので、ならば、ぜひ改善をしてください。

現在、区のホームページにある「苦情処理委員会」のページでは「申立て等をすることができる事項」に「区の男女共同参画・多文化共生施策に関する事項が対象です。」とだけ書かれています。
民対民の人権侵害による被害者救済も、実際にはこの施策に含まれるわけですが、条例規定を、よくよく読みこむでもしない限り、区民一般には分からない表現です。現状では、苦情処理委員会が、被害者救済には全く役立たない広報で、不適切ではないですか?
きちんと区民に役立つ広報とするべきです。区の見解を伺います。