家族の多様化に、区の書類が追い付いていない、という課題を取り上げます。先日、区のパートナーシップ宣誓制度も利用した、あるレズビアンマザーの方からご指摘を受けました。

区の保育担当部に出す書類には「母」「父」が予め印刷されており、単に「保護者欄」ではないために、この方はいつも「父」の文字を二重線で消し、父親の不存在に○をつけ、対応しているといいます。世田谷区には、子ども条例もあり、子どもの人権はすごく配慮しているのに、その家族の多様性となると、まるで配慮がないことが不思議だといいます。

今回のご指摘を受け、私も保育課から書類を取り寄せ、調べました。
たとえば、お子さんを保育所に預ける際の入口となる「入園申込書」には、ご家庭の状況の記入欄が丸々1ページありますが、その書面は左右に分かれ、左側が印刷文字で「母の状況」、右側が印刷文字で「父の状況」となっています。

つまり、あくまで男女でご両親が揃っているご家庭が、前提なんですね。しかも母欄を左側に優先して書かせるところに、区が条例で解消を目指しているはずの「性別役割分担意識」が見て取れます。

世の中には、祖父母に育てられる子どもも、叔父、叔母に育てられている子どもも、親権を持たない養育世帯で育てられる子どももいるわけですが、区の書類には母欄、父欄しか印刷されておらず彼らは全くの想定外。書きようのない入園申込書になっています。
これら保護者には左右の両欄とも二重線で消して、余白に書いていただくお積もりなのですか? お答えください。

ご家族の多様性にも、受け手側の心情にも全く配慮がなさすぎます。
本来、単に「保護者」とだけ書けば良い欄に「父」「母」と予め印刷してしまう無配慮こそが問題です。同様の無配慮は、入園後に書いて頂く「連絡カード」や「児童票」にも見られました。今あげた書面に限らず、保育の書類を全面的に点検し、見直していただくよう求めますが、いかがですか?

今回、私は保育園の書類のみならず、区教委の書類についても調べました。
幼稚園関係の書類にも、小中学校の書類にも、さすがに父母欄だけをあらかじめ印刷したものはなく、「保護者」の呼称で統一されていたのは救いなのですが、続き柄を自由記述とし、保護者の多様性にニュートラルな書式と、「父」・「母」・「その他」などとあらかじめ印刷し、「その他」の場合のみ、括弧内に書いていただく書式の2種類がありました。

父・母だけを典型例として前に出し、残る人たちを「その他」とする必要もないのではないですか?
自由記述欄ひとつで書面が十分機能することはすでに明らかなのですから、父、母(ちちはは)以外は「その他」だと、あなた方ご家族は「その他」だと、いちいち感じさせる必要などないと思います。
区教委の書面も点検し、誰もが気持ちよく書けるよりニュートラルな書面にしていただくよう求めますが、いかがですか?

最後に区政全般に関わることとして副区長に伺います。
今回は、保育と区教委のそれぞれに点検と見直しを求めましたが、学童クラブや児童館など、他にもご家族に関わる書面は多いと感じます。
この際、ご家族の多様性の尊重という観点から全庁的に書面を点検し、見直していただきたいと考えますが、いかがでしょうか?