具体的な成果

★免疫を失った方への再接種助成事業ができました。

 

小児がん等で骨髄移植を受けた子どもなど、予防接種の効力が失われた人の再接種費用は全額が自費。その救済をめざした上川の提案で20年4月、区に再接種費用助成事業ができました。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

◆上川あや

続いて、がんの治療等でワクチンの抗体を失ってしまった子どもたちのワクチン再接種についてです。

小児がんの治療で骨髄移植手術等を受けると、定期予防接種ワクチンの抗体は失われてしまいます。また、抗がん剤などの化学療法によっても抗体をつくる細胞が少なくなり、過去に受けたワクチンの効果が失われることがあり得ると言われています。

こうした小児がんの患者を対象に再接種の費用を独自に助成する自治体が九十に上ることが、昨年七月の厚生労働省の初めての全国調査の結果わかりました。その調査結果によりますと、昨年七月時点で、全国千七百四十一の自治体のうち新潟市や名古屋市など約五%に上る九十自治体が公的に助成し、うち二十八自治体は全額を補助しておりました。さらに、助成を予定している団体が八十三団体、検討中も二百三十八団体に上りましたが、本区は来年度の予算案にもこの助成費を入れていないと承知をしています。

都内では足立区が二〇一二年度に制度を整えており、同区の担当者は、病で効果がなくなることを自己責任にはできないと説明をしております。このほか、台東区は一月から助成をしており、文京区も二〇一九年度当初予算案に関連費を盛り込んだと報じられております。
予防接種法に基づくBCGなどの定期予防接種は公費負担で無料ですが、こうした再接種は全額が対象外となります。患者家族でつくる公益財団法人がんの子どもを守る会によると、全て自己負担すれば二十万円ほどが必要になるといいます。御家族にとってはがんの治療費に次ぐ大変重い負担になり得ます。本区でも小児がん治療後の再接種に助成を図るよう求めますが、いかがでしょうか、区の見解を問います。

◎辻 世田谷保健所長

私からは、がん治療でワクチン抗体を失った子の再接種に公費助成をとの御質問にお答えいたします。

予防接種法では、ワクチンの種類ごとに接種する対象年齢を定めております。また、長期にわたり療養を必要とする疾病により予防接種を受けられなかった方に対しては、療養の必要がなくなった日などから二年間、接種機会を設けております。しかし、小児がん治療のために骨髄移植などを受けたことで過去のワクチンの効果が失われた場合は定期接種の対象外であり、再接種をする場合は、御家族にとって御負担いただく費用が大きいことや副反応の出現等について、より一層の配慮が必要であることを認識しております。
再接種に係る支援につきまして、昨年十月の厚生科学審議会の部会においても、再接種の費用助成の必要性に加え、再接種による健康被害への救済を充実させるため、区市町村の任意接種ではなく、定期接種に加えるべきという前向きな意見がございました。
区といたしましては、御提案にありました再接種に伴う経済的御負担の軽減とともに、対象となるお子さんにとって、より有効で安全な再接種が可能となる仕組みづくりにつきましても、区内医療機関とも連携を図りながら検討してまいります。
以上です。