具体的な成果

★家族向け介護教室、始まりました。

 

必要な知識、スキルもないままに介護者生活に入る方が急増しています。
上川の提案で、介護のコツ、知識を家族等が学べる「家族介護教室」が始まりました。
2017年度は15回、2018年度も10回の講座が予定されています。ぜひご活用ください。

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◆上川あや

初めに、家族に重度の要介護者を抱える区民、当事者の立場から議会質問いたします。

家族、地域の介護力を高める、家族向け介護教室の開催を求めて伺います。
社会の高齢化が進行する中、予期せぬ家族の骨折や脳血管障害の後遺症、また、がんの急速な進行等により、身内に突然、また急速に重症化した要介護者を抱えるケースもふえています。

実は私自身、そうした家族を抱える身になって切実に感じていることが二つあります。
一つは、重度の介護を必要とする家族が、たとえ介護保険の最重度の要介護五の認定を受けたとしても、介護保険のもと、プロの手でケアできる時間は限られているということです。実際には大半の時間は、深夜も含め、家族が見守り支えなければなりません。
もう一つは、家族も介護の技術、知識を積極的に身につける必要があるということです。
そうでなければ、みずからの心身を守り、質の高い介護を続けてゆくことは難しくなります。日々、家族を支えてゆくために必要となる支援は多岐にわたります。起居、移乗の動作、食事介助、衣服の着脱、排泄ケア、衛生管理、車椅子の操作技術、室内外での動作に至るまで。それぞれコツがわかっていれば要介護者もその家族も随分と安心でき、また楽になる事柄はたくさんあります。
しかし残念ながら多くのケースでこうした知識もないままに介護生活は始まります。そのため日々大変な苦労を重ねている、そういった御家族も多いのではないでしょうか。

私自身、仕事と介護を続けながら区内で介護の技術、知識を身につけられる場がないかと探しました。しかし、ネットで見つかる情報は、散発的に勉強会を開く民間のグループの情報のみでした。今求めている情報と予定されているテーマも合わず、さらに開催日時や場所も限られており参加することはできませんでした。
区にも問い合わせました。来年度初めて認知症高齢者に焦点を当てて家族向けのストレスケア講座を始める予定であることを知りました。しかし、その募集定員は二十名、八回通して参加することが条件で、年に二度行うということです。私の家族は認知症ではありません。通常の高齢者介護の教室はないのですかと尋ねたところ、想定しておりませんでしたが区の答えでした。この答えに落胆するほかありませんでした。

区外を見渡すと、実に二十三区中、大半の十八区で区主催の家族向け介護教室は開かれております。お隣の杉並区では、区内二十カ所の地域包括支援センターを中心にきめ細かな家族介護教室が開かれています。昨年度は二百五回開催し、三千二百五十八名もの参加者を得ました。足立区も二十五カ所の包括支援センターで家族介護教室を開催し、昨年度は二百四十四回の開催で五千九百九十八名もの参加者を得ています。
このほか、千代田、新宿、文京、墨田、江東、品川、目黒、渋谷、中野、豊島、板橋、北、荒川、練馬、葛飾、江戸川の各区で区主催の教室は開かれています。いずれも参加費の設定もなく、無料です。
世田谷区も民間努力に全てを負うべきではなく、区として積極的に介護について学べ、相談ができ、思いを分かち合える場を提供するべきです。地域の介護力を底上げする介護教室等の開催を区に強く求めます。区の見解を伺います。

◎田中 高齢福祉部長

私からは、家族、地域の介護力を高める家族介護教室などの開催について御答弁いたします。
介護が必要な方が安心して在宅生活を継続していくためには、介護者支援も大変重要です。区では、ケアマネジャーに対し家族の介護負担軽減に向けたケアプランの作成や、家族会の利用支援などを働きかけております。区内には、介護者が孤立することなく悩みを打ち明けられたり、情報交換できる場として、区主催の認知症家族会や、あんしんすこやかセンターが主催している介護者の会などが三十カ所あり、さまざまな活動が行われております。
区では、多くの方に介護者の会、家族会に御参加いただけるよう一覧を作成し配付するとともに、ホームページに掲載し、周知に努めております。
また、区民活動団体主催で介護技術の基本や口腔ケアなど介護家族のための実践介護講座が定期的に開催されており好評を得ております。今後とも区内で行われているさまざまな活動に必要な方が参加できるよう、情報発信の方法を工夫するとともに、家族会の御意見も伺いながら、御提案にあった介護力向上に向けた講座などについても検討し、介護者支援に取り組んでまいります。
以上でございます。