★文化財保護奨励金の「たれ流し」改められました。
指定文化財の持主というだけで毎年、何ら評価点検もなく、他区の倍額、支払われてきた奨励金を上川が批判。
毎年、持ち主が適切に管理しているか訪問点検する事務に変わりました。
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◆上川あや
初めに、文化財保護奨励金について伺います。
区ではこの間、補助金の見直しを進めてきましたが、ほかの区では補助金として扱われ、評価、チェックのもとに置かれてきた同種の事業が世田谷区では報償金の扱いであるために、その見直しを逃れてきたと理解しています。
どういうことかといいますと、世田谷区の文化財保護奨励金支給要綱は基本、制定から三十六年間見直しのされていない制度です。要綱には文化財指定に同意した者に対し奨励金を支給すると定められ、他区のほぼ倍額もの礼金が毎年、漫然と支払われ続けています。単に文化財を持っていてくれてありがとう、ことしもお金を振り込むねという既得権益となっていて、文化財そのものの適正管理を担保する仕組みは何一つ盛り込まれておりません。
他区ではこうはいきません。世田谷区と違い、補助金に切りかえておりますので、条例に基づき厳格に管理がされています。補助金として適切な支出か、申請、審査、報告等のチェックを経て、初めて公金は支出が認められます。適正管理につながる支出か、費用対効果をきちんと見ているんですね。
世田谷区の制度もかくあるべきだと考えています。評価点検のない漫然とした公金の支出は改めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
◎林 生涯学習・地域・学校連携課長
区は、区民の貴重な財産である文化財の保護、保存及び活用のため必要な措置を講じ、区民の文化的向上を資することを目的に、文化財保護条例を昭和五十二年に制定いたしました。そして、文化財行政の円滑な推進を図るため、昭和五十四年から文化財保護奨励金支給要綱に基づき、文化財の維持管理に対して奨励金を支給しております。
奨励金は、国または地方公共団体の所有もしくは管理する文化財を除いて、指定文化財所有者等に対して支給しております。支給に当たりましては、文化財所有者を直接訪問し、文化財の現況確認を行った後、絵画、彫刻や建造物など文化財の分類によりまして、文化財一件につき三万円から十万円を支給しております。
奨励金のあり方につきましては、二十三区中十五区に同様の制度がございますが、現在、他区の状況を確認した上で検討しているところでございます。
補助金に準じた交付手続など事務的な見直しを急ぐとともに、例えば文化財の区民への公開の有無により差を設けることや、奨励金の交付額などを含め、さらに区民の財産である文化財の保護、普及にふさわしい奨励金のあり方について、引き続き検討してまいります。
◆上川あや
ぜひ速やかに改善をしてください。