◆上川あや

本会議に続きまして、世田谷区手話通訳者等派遣センターの運営経費について伺います。
基本的な認識から問います。端的にお答えください。同センターの運営は、法に位置づけられた区の必須事業の一部であると理解をしています。この認識に誤りはありませんか。

◎小堀 障害福祉担当部長

委員のお話のとおり、これにつきましては法的な位置づけがございますというふうに認識してございます。

◆上川あや

では、その運営経費の実費は、区の直営であれ、委託であれ、区が負担するのが基本だと考えますけれども、いかがでしょうか。

◎小堀 障害福祉担当部長

この事業につきましては、委託事業という形で区では実施しておりますが、その旨という形で運営しております。

◆上川あや

委託事業であれ、基本的にその経費の実費は区が負担するのが当然ではないんですかというお答えはどうでしょうか。

◎小堀 障害福祉担当部長

区といたしましては、委託事業としての運営経費ということで考えてございます。

◆上川あや

区に位置づけられた事業で、区の必須事業でありながら、委託先であるからといって、障害者団体に半数以上の家賃を払わせているということを問題にしているんですね。
区が、同センターの開設当初からその経費の多くを区で負担せず、委託先である世田谷区聴覚障害者協会さんに押しつけてきました。
当初、同センターの事務所は聴覚障害者協会さんの事務所内に置かれてきましたが、区は間借りの賃料も払わずに、中の仕切りをつくる改修経費も払いませんでした。
しかし、同センターの電話音声のやりとりが、協会の事務所に来訪される健聴者の方に筒抜けになることから、区と相談の上、平成十七年六月、事務所は外に出すことになりました。しかし、そこで区から示された借り上げ賃料の経費は四万五千円、それ以外は協会負担でお願いしますと当初から言われまして、以来、区は毎月四万五千円という家賃の一部しか払ってきませんでした。これは事実でしょうか。

◎小堀 障害福祉担当部長

この事業につきましては、開設当時、協会のほうとしっかりと協議させていただいた上で、四万五千円ということで家賃のほうは考えてございます。

◆上川あや

私の会派を含めて多くの会派に、家賃の実費を払っていただいていないというふうに予算要望が来ているから取り上げているんですね。
実際のセンターの借り上げ賃料は九万七千円です。実に半額以上の五万二千円が月々、障害者団体さんの御負担になってきた、この事実関係に誤りはないでしょうか。

◎小堀 障害福祉担当部長

この経緯につきましては、今回、委員の第三定例会の御指摘を踏まえ、過去の経緯等も含めまして、事業者からお話を聞いたところでございます。その件につきましては、委員のお話のとおり、事務所の移転につきまして区と協議させていただいて、その上で、協会の内部でも経費等を含め議論して、移転を決断したというふうに伺ってございます。

◆上川あや

世田谷区手話通訳者等派遣センターの持ち出し分五万二千円は、障害者団体が毎月払わなければいけない経費ですか、答えてください。

◎小堀 障害福祉担当部長

委託経費につきましては、毎年協会と協議の上、見積もりを出していただいた上で合意の上、委託契約を行ってございます。

◆上川あや

その見積書の細目も、区の指示どおりに提出をしているということで、四万五千円以外出さないからということで、四万五千円の請求書を出していると理解していますが、いかがですか。

◎小堀 障害福祉担当部長

毎年の協会との協議の上、その部分はしっかりと確認させていただいた上で経費を決めてございます。その上につきましては、協会との合意というふうに認識してございます。

◆上川あや

家賃の超過分五万二千円を年間に直しますと六十二万四千円、これを昨年度も、一昨年度も、九年前までさかのぼって毎月払わせてきたわけですよね。また、この賃貸契約に必須の火災保険料、三年に一度の更新料、礼金も一切払っていないと認識をしていますが、この認識に誤りはないでしょうか。

◎小堀 障害福祉担当部長

今までの協会との協議の上で、その部分については区としては伺ってございません。区としては、見積もりの経費を出していただきまして、その上で協議をして、委託経費を積算しているということでございます。

◆上川あや

区の指示どおりに見積書は出しているということについて、部長はその差額の経費を聴覚障害者協会さんが払うのが当然だという認識なんでしょうか。

◎小堀 障害福祉担当部長

過去の経緯につきましては、細かな金額等は協会から伺ってございません。全体の経費ということで協議をした上で、見積もりをいただいた上で経費を積算してございました。

◆上川あや

本会議の質問通告から一カ月と六日がたちまして、区も詳細を把握したということで私も伺っております。担当の課長とお話をしたときに、担当課長が初めに言ったのは、顔から火が出るほど恥ずかしいと言ったんですね。これは補助金事業ではありません。区の委託事業です。区が法的に義務づけられた事業です。なぜ半分以上の家賃を彼らが払って、家賃周りのほかの経費も全て払っているんですか。これは不当ではないんですか、いかがですか。

◎小堀 障害福祉担当部長

今まで協会との協議の上で詳細の部分については伺っていないということは事実でございます。今回、委員からの御指摘も踏まえて詳細を伺っております。その金額につきましては、委員のお話のとおりでございます。

◆上川あや

事務所賃料の差額で九年四カ月累計しますと六百四十四万八千円、自腹で負担しました。更新料は三回分で三十四万九千二百円負担いただきました。火災保険料も六万六千円、礼金も三回分十九万四千円、合わせて七百五万七千二百円、これは聴覚障害者協会さんが払うべき費用なんでしょうか。区長、区長の認識を伺います。

◎保坂 区長

本件については、本会議での質問以来、所管のほうでも調べたと言っておりますので、よく経過を聞いて、このような扱いがなぜ生じたのか、今後についてもしっかり取り組むように、是正すべきものは是正したいと思います。

◆上川あや

弁済するべきだと思います。区長、いかがですか、過去は問わずにチャラですか。

◎保坂 区長

これも所管が詳細を調べたそうですが、それを聞いてから判断したいと思います。

◆上川あや

弁済することを求めて終わります。