◆上川あや

初めに、区内の文化財について伺います。

質問の第一は、区が指定登録した文化財に天然記念物が一つもないことについてです。
この件につきましては、私から平成21年秋の決算質疑でも取り上げまして、区教委としての考え方を伺いました。区教委からは、天然記念物につきましても、有形や無形の文化財や史跡と同様、区民にとって貴重な文化的財産として後世に伝えていくため、登録または指定に取り組んでいくことが望ましいと考えております。区内の事案の把握に努めるとともに、新たに世田谷区文化財保護審議会にも御相談し、検討してまいりますとのお答えをいただいたのですが、その後も指定登録はないままです。
文化財保護審議会の過去の議事録を読みますと、平成二十二年の第一回審議会から第三回審議会にかけまして関連する質疑が確かに出てきます。その中では具体的な候補のリストも提示されまして、進展に期待を抱かせる内容になっているんですが、その後の議論は沙汰やみになっているようです。
区内には都指定の天然記念物も五件ありますし、二十三区では区指定の天然記念物を持つ区が半数以上に上っています。みどり33の取り組みとは裏腹に緑が減少し続けている本区としても、天然記念物の指定登録はいまだに登録のない文化的景観などとともに積極的に取り組んでいくべきテーマだと思うのですが、いかがでしょうか。区教委の見解を伺います。

◎古閑 教育政策部長

天然記念物は有形、無形の文化財や史跡等と同様に、地域の歴史や文化等を保護し、後世に伝えることなどを目的とする文化財行政におきましては、非常に重要な位置づけにあるものと認識しております。世田谷区文化財保護条例では、区の登録及び指定文化財として天然記念物も規定しておりまして、文化財とする基準について、動物、植物、地質鉱物のうち、学術上貴重で、この地方の自然を記念すると認められるものとしております。
天然記念物の登録指定に向けましては、二十二年度以降、文化財保護審議会で造園の専門家にも加わっていただき、御議論をいただいているところでございます。いまだ文化財としての指定等には至っておりませんけれども、その中では緑の文化という観点や巨木を含む文化的景観といった捉え方、また登録、指定において留意すべき課題等について御示唆をいただいてきているところでございます。
教育委員会では、これらを踏まえまして、天然記念物や文化的景観、工芸品など、従来件数が少ない分野についても、今後、個体の調査を進め、区長部局とも連携を図って、文化財登録あるいはまた指定を推進してまいりたいと考えています。

◆上川あや

ぜひ積極的にお願いいたします。