★高齢人材への労働ダンピング。やめさせました。
シルバー人材センターのもと区立駐輪場などで働く高齢者への支払いは何と最低賃金未満の低水準!!
彼らは「請負」で働き、最低賃金法の対象外と区は言いますが、最低賃金を下回る支払いは厚労省ガイドライン違反です! 上川のこの指摘で不当な労働ダンピングが改められ、1時間あたりの配分金額が上がりました。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
◆上川あや
昨年末の四定、先月の一定と、私の一般質問の候補に据え、所管とも話合いをしましたが、他の質問候補が多過ぎて質問を見送ってきたテーマ、シルバー人材センターによる労働ダンピングについて伺います。
区の施設で働くにもかかわらず、その時間当たり単価が最低賃金を下回る労働者の方がいます。
区の外郭団体、シルバー人材センターの下、請負という形態で働く高齢者です。
せんだって、区のシルバー人材センターから事業種別の配分金一覧をいただきました。そこには配分金額が次のように書かれています。公共駐輪場管理、一時間千円、区公園施設管理業務、一時間千二十円、請負ならば請負人が仕事を完成させるごと、その結果、成果物に対して報酬を払うので、時間単価など書かないはずなんですが、なぜか時間単価です。この請負形態で働く方々の配分金額について、厚生労働省のシルバー人材センターの適正就業ガイドラインは次のように書いています。会員が請け負い、委任の業務に従事する場合、最低賃金法は適用されませんが、配分金の総額を標準的な作業時間で除した額は、原則として最低賃金を下回らない水準を勘案したものとする必要があります。重要部分を繰り返します。最低賃金を下回らない水準を勘案したものにする必要があります。
ところが、区立の駐輪場五十四か所で働く高齢者の時間単価は千円です。同じく区立公園の施設管理業務に就く高齢者の時間単価も千二十円です。ちなみに、東京都の最低賃金が時間千円を超えたのは二〇一九年の十月で、現在の単価は千四十一円になります。つまり、シルバー人材センターの時間単価は、国ガイドラインに複数年にわたって反してきたことは明らかです。
この点を指摘しますと、区は早速昨年末、二つの文書を発出します。私がこの問題の議会質問を見送っている間にです。一つは、シルバー人材センターに対して、もう一つは庁内の各所属長に対してです。
まず伺いますが、これらは私からの議会質問をされる前に火消しを図ったものでしょうか。いかがでしょうか。
◎田中 経済産業部長
火消という意図ではなく、御指摘いただいた時期が予算見積りの時期と重なっていたことから、改めて早期の対応が必要と考え、発出したものです。
◆上川あや
不当な単価を改めること自体はよいことだと思います。しかし、議員に言われるまで何年も気がつかなかった管理責任は、発注元である区にも、シルバー人材センターにもあるのではないですか。いかがですか。
◎田中 経済産業部長
会員とシルバー人材センターとは、請負または委任による契約をしており、最低賃金法が適用されませんが、御指摘のガイドラインは遵守されるべきものと考えております。経済産業部としては、その認識を持っております。今後は、予算要求の時期に合わせ、継続的な通知により注意喚起をしてまいります。
◆上川あや
私が問いましたのは、区とシルバー人材センターの管理責任です。はぐらかさずにお答えください。
◎田中 経済産業部長
先ほど御答弁したとおり、ガイドラインというのは守られるべきものと考えており、そのことについては担当所管として管理が行き届かなかったことは大変申し訳なく思っています。今後、関係法令のみならず、ガイドラインについても遵守するよう改めて働きかけてまいります。
◆上川あや
次に、さきに挙げた二つの事業、区立の駐輪場と区立公園の管理で、現に最低賃金以下で働く方々は何人いらっしゃるのでしょうか。その実人数を伺います。
◎田中 経済産業部長
一か月単位の集計になりますが、自転車駐輪場はおおむね二百九十人、公園はおおむね八十人となっております。
◆上川あや
国ガイドラインは、シルバー人材センターで提供できる業務で、請負、委任とできるのは臨時的かつ短期的、または軽易な業務であるとして、二つの判断基準を示しています。
一つ目に、おおむね月十日程度以内で完結する業務であること、二つ目に、おおむね週二十時間を超えない軽易な作業であることです。そこでは、わざわざ認められない例として、恒常的に上限(十日間)を超えて就業する場合などと明記がありますが、区はまさに恒常的な駐輪場管理をシルバー人材センターでの請負に任せてまいりました。そこでの継続的、反復的な労働が臨時的、短期的と言えるのか甚だ疑問です。
では、今挙げた国ガイドラインの二つの基準を超えて、区の施設で働く方はいないと断言できるのでしょうか、伺います。
◎田中 経済産業部長
厚生労働省のガイドラインでは、軽易な作業についてはおおむね週二十時間を超えないことが目安とされておりますが、シルバー人材センターに確認したところ、週二十時間を超えている会員が十数名程度いることが確認されました。また、ガイドラインでは、会員の就業は現役世代の労働者などが一人で行う業務を複数の会員が時間や日にちで分担して行う方法、ローテーション就業が基本とあります。上限を超える就業の是正についてシルバー人材センターに働きかけてまいります。
◆上川あや
今回の件は、区の公契約条例の趣旨に照らしても、私は問題があると思っています。さきに述べた区が発出した二つの文書によって、区がシルバー人材センターに発注するどの事業も、都の最低賃金を踏まえ、来年度以降値上げすることで調整中だとは伺っております。しかし、最低賃金さえ上回ればよいとするのもおかしいと考えるんです。
区は、公契約条例で労働者に適正な賃金が払われるよう、今年度は千百三十円の労働報酬下限額を定めます。区との契約先で働く労働者に対しても、区はこのようなポスターまで既に作成、配付し、掲示をさせています。
その一部を読み上げます。上です。
予定価格二千万円以上の公契約に従事する労働者の最低賃金は、一時間当たり千百三十円になります。御自身の賃金が労働報酬下限額を下回っていないか御確認ください。大変親切です。ところが、この区営駐輪場、区立公園で働く高齢者への労働単価はたったの千円です。区のシルバー人材センターによる駐輪場の管理は、利用料金制度ということで区からお金が出ませんので、上がりでやってくれということですので、二千万円未満となって、下限額を守らせる協定対象の指定管理者にならないというからくりがあります。これは改めるべきじゃないでしょうか。条例の趣旨に従って払うべきだと思いますが、いかがですか。
◎田中 経済産業部長
区では公契約の業務の質の確保をするため、一部の契約で公契約に従事する労働者の最低賃金額を労働報酬下限額と定めていますが、シルバー人材センターの会員は、公契約条例に定める労働者に当たらないことから適用されていません。しかしながら、経済産業部としては、公契約条例の趣旨を踏まえるべきと考えております。今後は、労働報酬下限額を参考に単価を設定するよう、発注元である区の各所管とシルバー人材センターにしっかりと働きかけてまいります。
◆上川あや
それでこそ公契約条例を持つ区だと思います。しっかり改めてください。終わります。